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政府が下船を判断した根拠が科学的事実とてらして非常に疑わしい件

さて19日から、クルーズ船の乗客の下船が始まりました。

バスで公共交通機関ステーションに移動し、そこから各人交通機関を利用し、それぞれ帰宅するということです。交通機関利用の制約はなく、ただし数日間、体調等を電話連絡を求めモニターしていくとのことです。

菅官房長官は、午前の記者会見で「本日から1日数百人ずつ、3日間で下船してもらう方向だ。乗員については、乗客の下船の状況を踏まえつつ個室管理下での健康状態の監視などの対応を、これから行っていく」と述べました。

クルーズ船 「下船は1日数百人ずつ」 菅官房長官
2020年2月19日 12時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200219/k10012291771000.html

さて今、下船を判断した根拠が大きく揺れています。

日本政府は、下船を判断した根拠については、チャーター機で帰国した人たちへの対応を踏まえ、国立感染症研究所から14日間の健康観察期間中に発熱などの症状がなく、ウイルス検査の結果が陰性であれば、経過後に公共交通機関などで移動しても差し支えないという見解が示されたことから、方針を決めたと説明しています。

この点で、菅官房長官は、「今月5日以降、感染を予防する行動を徹底し、乗客に自室で待機してもらうなど、感染リスクを下げたうえで、症状がある人や高齢者など優先度が高い人からできるかぎり検査を進め、必要な方は医療機関に搬送するなど、乗員・乗客の健康確保に最大限配慮して対応してきた」と強調しました。

つまりチャーター機で帰国しホテル三日月で14日間経過観察した件でその後の経過も含めて「国立感染症研究所から14日間の健康観察期間中に発熱などの症状がなく、ウイルス検査の結果が陰性であれば、経過後に公共交通機関などで移動しても差し支えないという見解」が出たため、クルーズ船においても「今月5日以降、感染を予防する行動を徹底し、乗客に自室で待機してもらうなど、感染リスクを下げた」ので14日経過したこの19日から陰性の人々の下船を認めたということです。

これは現在のクルーズ船の感染者は、全て今月5日以前に感染したのであり5日以降は感染は新たに広まっていないことが前提になっています。

しかしこの前提がいくつかの科学的事実とてらして非常に疑わしいわけです。

ひとつは、感染症対策に詳しい神戸大学の岩田健太郎教授が、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で適切な感染対策が行われていないと批判していることです。

岩田教授が、船内で、感染の危険性が高い場所と安全な場所が区別されていないと指摘しており、感染は今も続いている可能性を、強く示唆していることです。

BLOGOSでも医師の中村ゆきつぐ氏が警鐘を鳴らしています。

中村ゆきつぐ
2020年02月19日 06:56
大変なことがやはり起きていたようです。ダイヤモンド・プリンセスの感染拡大は人災?
https://blogos.com/outline/437081/

2月5日以降も、感染者数は一向に収束せず、逆に日を追ってクルーズ船の感染者が増え続けている事実も、統計的には、5日以降も感染が止まっていない可能性が高いことを強く示唆しています。

さらにアメリカや韓国をはじめクルーズ船の乗客を自国に帰国させるチャーター機を用意している各国は、日本政府のクルーズ船では5日以降感染が広まっていないという情報に関わらず、帰国後14日間米軍基地などに隔離する方針です、オーストラリアは20日間です。

つまり各国の方針はクルーズ船の感染は5日以降も止まっていないこと前提にしているのです。

そしてその前提は正しい可能性が高いことが海外から報じられています。

BBCニュースによれば、早くも「米政府チャーター機、米国到着 14人の感染を確認」とあります。

米政府チャーター機、米国到着 14人の感染を確認
2020年02月18日
https://www.bbc.com/japanese/51540561

記事より。

米国務省によると、クルーズ船のアメリカ人乗客300人以上が自発的に送還を選んだ。このうち14人について、移動中に行われたウイルス検査で陽性反応が出たとの報告があり、ほかの乗客から隔離させていたという。

乗客は全員、クルーズ船内での隔離期間に加えて、さらに14日間の隔離措置を受けることとなる。

米当局者はその後、感染の「危険性が高い」と考えられる乗客13人について、ネブラスカ大学(ネブラスカ州オマハ)の特別施設へと移送したと述べた。

ここで重要な事実は、これら14名は1日前の日本での検査ではまだ陰性であったことです、その時点での陽性者はチャーター機には乗れず日本での治療が優先されるからです。

・・・

まとめます。

以上の事実から、日本政府が下船を判断した根拠(=クルーズ船で2月5以降は感染は広がっていないという前提)は、いくつかの科学的事実の前に大きく揺れています。

日本政府の陰性乗客下船方針に関して、それ自身を批判するつもりはありません。

クルーズ船に大量に感染者が発生している現状から、クルーズ船がホットスポットとなっていることは明らかであり、国際的にも注目されている中で、健康な陰性者の下船を実施したのでありましょう。

それは理解します。

しかし陰性と確認されている下船者の中で、アメリカ帰還者14名のように発症する可能性がある者が含まれている科学的事実は、国民に明言すべきではないでしょうか。

500名の下船者の中から今後陽性者が一人も発現しない可能性はあるのでしょうか?

彼らは政府お墨付きで、電車や新幹線や飛行機などの公共交通機関で帰宅するのです。

そこに感染拡大のリスクはないのか、大きな疑問が残ります。

私は日本政府のクルーズ船の対応をすべて失敗と決めつけることはいたしません。

ただ、政府のとった対策をしっかり国民に説明する、政策のTransparency(透明性)をしっかり確保していただきたいと思います。

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