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公文書管理の重要性

 我が国において行政上の決定と執行に関わる公文書は、おおよそ歴史的文書と行政文書に大別される。前者は我が国の歴史がどのように形作られて行ったのか、歴史学や政治学の研究対象ともなるべき文書であり、国立公文書館に収蔵されるものが多い。

 一方後者は、日々の行政上の意思決定や執行に伴う文書である。30年、10年、5年、3年、1年、それ以下という保存期間が、公文書管理法などによって、文書の重要性に応じてそれぞれ決められている。その時々の行政の決定が正しかったかどうかを検証したり、それ以後の行政執行の参考になる事例になったり、行政行為の公平・公正さを保つための重要な書類になる。またそれを公表することによって、国民の知る権利を保障するとともに、行政への信頼を醸成することにもつながる。もちろんその逆になることもあるが。

 安倍内閣ではこの公文書の管理において、残念ながら適切でないことが度々起こっている。いわゆる森友学園問題においては行政文書が一部改竄され、自衛隊の日報問題では、海外派遣部隊が作成していた日報が隠蔽され、「桜を見る会」に関する文書が異例の速さでの廃棄されたことなどである。これらは公文書を扱う官僚が進んで実行したとは思われず、何らかの圧力によるものか、いわゆる「忖度」という力学が働いたと考えるのが自然ではないか。

 そもそも我が国における公文書の扱いは、欧米諸国に比べて十分に吟味されて来なかった。そこに公文書の改竄や隠蔽、ルールに従わない廃棄などにつながる原因があったことも事実だ。もちろん現内閣として大いに反省しなければならない事態だが、今後は公文書管理法の一層の拡充と、その実効性を担保することにより、行政の適正な執行に資する公文書のあり方を正すとともに、その役割の重要さを再認識することが求められている。

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