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【新型コロナウイルス】習近平主席が責任逃れのアリバイ作りか 「1月7日に感染予防指示」の真相は闇の中

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多くの感染者は入院できず、家族に感染させることを恐れながら自宅で待機せざるを得ませんでした。政府は地域に助けを求めるよう一般市民に伝えましたが、十分な資源も人材もありませんでした。地域の医療センターには60人のスタッフに防護服は1着という有様でした。

武漢市が全ての患者を病院に入院させるキャンペーンを始めたのは2月9日以降のことです。しかし入院の順番待ちのため70歳超の患者も1日中、列に並ばなければならないというのが現実だったそうです。

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GPSで追跡、顔認識で拘束…監視社会の感染症対策

感染者の携帯電話の衛星測位システム(GPS)を追跡すれば、他の誰といつ、どこで接触したかが分かります。市民監視システムを構築している中国当局はこうしたデータをもとに疑わしい例について公権力を行使して強制的に隔離することもできます。

ドローン(無人航空機)を使って上空から監視して感染予防のためのマスク着用を怠っている市民にアナウンスで注意を促したり、顔認識システムを利用して隔離から脱出しようとする市民を拘束したりすることも可能になります。

湖北省全域で公共交通機関を停止、駅・空港が閉鎖されたのに続き、浙江省温州市でも市民の外出制限や一部を除く高速道路の封鎖が発表されました。北京市は旅行や帰省先から戻る市民全員に14日間の隔離期間を義務付け、他の都市でも移動を制限する措置がとられています。

対策を口実にジャーナリスト抑圧の可能性も

新型コロナウイルスの感染拡大と闘う中国は今、事実上の戒厳令下にあると言えるかもしれません。習近平指導部は湖北省と武漢市の体制を一新しましたが、国民の激しい怒りにさらされています。

しかし筆者が恐れるのは新型コロナウイルス対策を口実に活動家やジャーナリストへの抑圧が強化されてしまうことです。その意味でも共産党主導ではなく、科学主導で“対ウイルス人民戦争”を進める方が健全です。

2002~03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)も突発的な事件ではなく、「闘争」と位置付けられました。共産党指導部に対する市民の不信感を払拭するため、全人民的な愛国衛生運動が展開されました。

習氏になって集団指導体制から国家主席に権力が集中する傾向が強まり、テクノロジーによる市民監視体制も格段に強化されています。

ナチスのアドルフ・ヒトラーは1933年のドイツ国会議事堂放火事件を「共産主義者の仕業だ」と糾弾し、内閣に絶対的権限を与える全権委任法を成立させました。習氏は新型コロナウイルス危機を乗り越えたあと強権体制をさらに強固なものにしている恐れがあります。

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