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#立憲フェス2020 枝野代表スピーチ全文

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■責任ある充実した政府

 第三に、「責任ある充実した政府」を取り戻します。

 「支え合う安心」も、適正公平に「豊かさを分かち合う」ことも、民間だけでは、市場原理だけでは、実現できません。

 昭和の終わりころから、「民間でできることは民間で」「小さな政府」などという言葉が、絶対的な正義として語られました。しかし、いつの間にか、「民間でできないことまで民間へ」。背負うべき役割まで放棄した「小さすぎて無責任な政府」になっています。

 民営化の先で生じた、かんぽ生命の問題。大学入学共通テストの民間丸投げ。公営に限定されてきたギャンブルを民間開放しようとしたカジノ。介護サービスの不足や待機児童の問題も、民間だけでは対応できない広い意味での政府の問題です。

 強く危機感を持ったのは、相次いだ自然災害の被災地を視察したときです。地方自治体は、定員削減に加えて職員の非正規非常勤化を余儀なくされ、緊急時の対応をする職員が圧倒的に足りなくなっているのです。新型コロナウイルスへの対応が後手に回っているのも、国、地方を通じて感染症に対応する体制が脆弱であることが、大きな要因の一つです。

 今こそ、「小さな政府」幻想から脱却しましょう。「責任ある充実した政府」を、そして「民間でできないことはしっかりと官が責任を持つ」「まっとうな政治」を取り戻します。もちろん、その前提として、立憲主義と法治主義を回復させ、適正な公文書管理と情報公開進めることで、政府への信頼を取り戻していきます。

■ボトムアップの政治

 この三つの理念を実現するには、政治そのものの在り方を、本質的に変えていかなければなりません。

 安倍政権の問題点は枚挙にいとまがありませんが、その中心にあるのは、国民の声を聞かない姿勢です。聞かれたことにまともに答えない。国会から逃げ回り、保身のために公文書を破棄する。子どもでも嘘だとわかることを平気で言い、その尻拭いを官僚に押し付ける。現在の政治の中心には、「権力を持っているのだから言うことを聞け」という『トップダウンの政治』で、都合の悪いことには蓋をするという政権の不誠実な態度があります。

 社会がますます複雑多様化する中で、これからのあるべき政治家像は、国民の皆さん一人ひとりと繋がっている存在です。もちろん、すべての国民の声を直接聞くことはできません。一人ひとりのご意見は千差万別ですから、すべての声に応えることもできません。それでも、「自分に聞こえていない声があるかもしれない。だから常に国民生活の現場に目を向けよう」と、そうした謙虚で誠実な姿勢を持つことが大切なのだと確信します。

 まだまだ不十分ではありますが、立憲民主党は、この立憲フェスや、各地でのパートナーズ集会や立憲カフェ、ネットでの #立憲ボイス などを通じて、参加型民主主義の実践を積み重ねていく決意です。

■野党の強い繋がり

 昨年の臨時国会で象徴的な出来事がありました。現場の声をまったく聞かず、手前勝手な都合で進められていた英語入試の民間試験の導入が、当事者である高校生の皆さんが声をあげることで止まったのです。文部科学省や官邸の前などで声をあげていた高校生たちに私たちが呼応して、院内集会などを重ねる中で世論を動かし、安倍政権を導入延期に追い込むことができました。まさに、当事者の声と、私たちがつながることで、具体的に政治を動かすことができたのです。

 英語入試に関する機敏な動きを可能にしたのは、間違いなく、昨年10月の臨時国会から新しく始まった共同会派の運営です。今の政治を変えよういう幅広い野党の連携によって、英語入試だけでなく、政権の問題点を広く国民の皆さんに訴えることができつつあります。野党が強く連携すれば、着実に政治を変えていける、そう確信します。でたらめな答弁で開き直る政権の姿勢をみれば、「政治なんてもう期待できない」と思う人が多くなるのも当たり前です。しかし、強く繋がった野党の連携で問題点を炙りだし、世論とつながっていけば、この政権を追い詰めていくことができます。

 私たちは、「すべての取り組みを政権交代のための準備へとつなげる」ことを、活動方針の柱として掲げました。政権交代に向かう一つの柱は、こうした国会内外での連携と共闘です。この連携は、今開かれている通常国会でも、引き続き大きな力を発揮しています。

 もろく大きな塊ではなく、それぞれの持ち味を生かしながら、強力に連携して「しなやか」につながっていく。それが私の目指す政権の姿です。そこに向けて、連携する各党が、声をあげる当事者や、まだ声をあげられていないさまざまな皆さんと繋がることで、国民生活からかけ離れた国会を正常化していきます。立憲民主党は、最大野党の責任として、幅広い政治勢力による、より強固なつながりをつくるため、先頭に立ってまいります。

 同時に、立憲民主党自身としては、理念政策をぶれることなく貫き、その旗をより一層高く掲げていきます。私たちの理念政策に共感し、その旗のもとで闘っていただける皆さんには、広く門戸を開いて、最大野党としての役割を発揮できる体制を強化してまいります。

■思いと教訓

 政権への道は決して容易なものではありません。これまで以上に険しいものになるでしょう。私にとっても大きな挑戦です。

 この厳しい挑戦の原点として、私が肝に銘じていることが二つあります。

 一つは、当選一回のときに直面した薬害エイズ問題です。

 長年にわたって「ない」と断言されていた、いわゆる「郡司ファイル」の公開を、当時は大学生だった川田龍平参議院議員を始めとする当事者、被害者の皆さんと連携して求め続けました。その結果、厚生省の地下に眠っていたファイルを探し出し、被害救済と再発防止への動きを飛躍的に前進させることができました。

 情報公開の重要性を強く認識し、当事者の皆さんとつながりながら諦めずに努力すれば結果につながることを経験しました。私の政治家としてのこの原体験は、あの時以上に公文書の隠蔽や改ざんで政治が歪められている今こそ生かさなければなりません。

 もう一つは、官房長官として、そして経済産業大臣として、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故への対応にあたった経験です。

 原発事故では、福島の人々が故郷を奪われただけにとどまらず、家族や友人同士ですら、立場の違いによって分断させられました。被災地では今なお、多くの皆さんが、終わりの見えない復興の途上で困難に直面しながら生活しています。

 被災者の皆さんに寄り添い続けること、そして、同じような分断や困難を、あるいは故郷を失うというような思いを、二度と繰り返してはならないということ。私はあのとき強く決意しました。あれから9年、このことは、私にとって政治家としての生涯をかけて取り組まなければならない責任だと思っています。

 2009年からの非自民政権では、震災対応を含め、至らない点、ご期待に応えられなかった点が少なからずありました。しかし、その経験と教訓があるからこそ、そしてそれを活かすからこそ、皆さんとともに、この大きな転換点の向こうに、明るい日本を切り拓くことができると確信しています。

■終わりに

 今年は、全国でさまざまな皆さんとの対話を行うキャンペーンを実施します。全国津々浦々の地域に伺い、さまざまな当事者、生活者、それぞれの現場の声をぶつけてもらいます。今日、この立憲フェスで行なった60分対話のような試みを、パートナーズの皆さんのお力もお借りしながら、各地で実現したいと考えています。私たち一人ひとりが、自分の言葉で、あるべき社会や政治について語り、その対話の先に強いつながりをつくることができるならば、必ず道は拓ける、そう信じているからです。

 今年は総選挙があるとも言われています。これまで以上に、国会での連携、選挙区での連携、そして政権構想での連携を強力に前進させます。野党をまとめ上げていくこうした努力はすべて、誰もが未来への展望を抱ける日本へと、皆さんとともに切り開いていくためのものです。

 ここに改めて、「すべての取り組みを政権交代のための準備へとつなげる」決意を。そして、「支え合う安心」を、「豊かさの分かち合い」を、そのための「責任ある充実した政府」を。こうした政権を必ずや担っていくことの決意を、会場の皆さん、中継をご覧の皆さん、すべての国民有権者の皆さんにお誓い申し上げます。

 立ち止まったり、後ろを振り返ったりするのでなく、ぜひ、私と一緒に、未来に向けて「右でも左でもなく前へ」一歩を踏み出しましょう。あなたが動けば、政治は必ず変わります。現在の政権を終わらせ、新たな政権をつくることができます。私たちは、あなたの声を受け止め、あなたとともに前へと進む政党です。ぜひ、それぞれの地域で、それぞれの現場で、この大きなうねりを共に広めてください。

 私には、あなたの力が必要です。

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