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#立憲フェス2020 枝野代表スピーチ全文

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 立憲民主党は16日、都内で党大会である立憲フェス2020を開催。プログラムの最後に行われた枝野幸男代表によるスピーチの全文は以下の通りです。

■フェスの意義.参加の御礼

 会場にお集まりいただいたパートナーズの皆さん、そして中継をご覧の全国の皆さん。立憲フェスに参加いただき、ありがとうございます。

 パートナーズの皆さんにも参加いただく立憲フェスは、『ボトムアップの政治』を掲げる私たち立憲民主党にとって、大切な挑戦の一つです。政治家が一方的に呼びかけるのではなく、パートナーズの皆さんと一緒になって、あるべき社会と政治について対話し、ともに前へと進んでいきたい。そんな思いで、今回もこのフェスを開催させていただきました。

 フェス開催にあたっては、多くの皆さんにご協力いただきました。働き方やジェンダーの問題などについて声を上げている皆さん、環境問題や気候変動等について活動されている皆さん、障がいをお持ちの皆さん。さまざまな皆さんに、20ものブースを出していただきました。中でも、今回初めて、パートナーズ有志の皆さんなどによる自主運営ブースを出展いただきました。こうした動きを、たいへんうれしく感じています。皆さんのご参加に、心から御礼申し上げます。

 会場を回って感じたのは、この会場に集まっていただいた課題や挑戦は、小さいながらもそのまま今の日本の縮図ではないかということです。当事者の皆さん、専門家の皆さんなどの、一つひとつの活動が、こうして一カ所に集まることで、新しい時代の社会と政治のイメージを力強く示していると感じました。それぞれの活動の背景にある問題意識を、私も、正面から受け止めてまいります。

■つながることの意義

 私たちに届けられる声は、より率直に切実さを訴えるものも少なくありません。昨年立憲民主党で実施したアンケートの中から、いくつかの声をご紹介したいと思います。

20代男性。「真面目に働いているのに、割に合わない給料で時間の叩き売りをしている。正規雇用、割に合う賃金、安定的なキャリアアップが可能な社会を実現して欲しい」。

30代女性。「生活が楽ではないと感じていても、貧困について知ると、家も食べ物もあり趣味も持てる自分は恵まれているのではないかとも感じる。一方で、結婚や出産は考えられないし、将来働けない歳になった時に、それ以上生きていける可能性も考えられない。子育てする人たちや、お年寄りを支えなければならないと思っているが、こういう『建前』の発言を支える気力がなくなった時、自分も心ない自己責任論に落ちていくのだろうな、と感じています」。

40代女性。「私たちロスジェネ世代は、生涯救済策がなく見捨てられたままなのだろうなという諦めがあります。会社に入って上から学び下に教えるという繋がりも、同期として同年代と愚痴りあう繋がりも、大学時代の友人としての繋がりも、全ての繋がりを絶たれるのが格差です」。

60代男性。「残り少ない財産を上手に使い、独り身でも何とか終の棲家を確保したいですが、今のままではケアハウスや高齢者用住宅など高嶺の花です」。

 こうした意見に接して思うのは、現在の日本に広がる「分断と孤立」。そこからくる閉塞感です。それぞれの個人は可能性を秘めているのに、孤立して力を発揮できないことから、社会全体に閉塞感が蔓延しています。そして、政治が自己責任を煽り、格差を拡大することで、その分断をさらに加速させています。

 こうした状況を変える鍵は、このフェスに象徴される『つながる』ための取り組みです。当事者や現場の声をつなぐことで可能性が生まれ、その可能性を政治が現実を動かす力へと変えていく。その繋がりの連鎖こそが、分断と孤立を超えていく、唯一の道だと思います。

■日本社会の現状

 私は、「分断と孤立」を乗り越えて閉塞感を打ち破ることができれば、日本の未来は明るいと確信しています。

 日本社会は、人口減少社会、成熟経済へと180度変化しました。にもかかわらず、昭和の成功体験にとらわれ、無理やり引っ張り続けてきた多くのことが、限界に達し、矛盾を露呈しているのが現状です。

 私が目指すのは、安倍政権を倒すことだけではありません。昭和の成功体験という呪縛を解き放ち、物質的な拡大を目指す一極集中型社会から脱却して、人口減少社会、成熟経済にふさわしい新しい社会の理念を高く掲げながら、それを着実に実現していくことのできる政権を樹立することです。

 私は、衆議院本会議における代表質問の機会に、こうした新しい社会のビジョンとして、三つの理念を示しました。

■支え合う安心

 第一に、「支え合う安心」を作ります。

 超高齢社会は、本来、人類が長年夢見てきた長寿社会であり、そのこと自体は望ましいことのはずです。老後の不安を小さくすることができれば、高齢社会は明るい社会です。

 働いても賃金が上がらないために、家庭を持ちたいとか、子どもを産み育てたいとか、そうした将来への展望を考えることすらできない若者がたくさんいます。子供を産み育てたいと希望する方が、その希望をかなえることが可能な社会を作れば、人口減少に一定程度歯止めをかけることができます。借金をせずに教育を受けることのできる社会、希望すれば正社員としてまっとうな所得を得られる社会をつくれば、若い世代を中心にさまざまな明るい未来を展望できます。

 老後も、子育てや教育も、かつては個人や家庭、地域社会の助け合いに委ねられ、押しつけられていました。しかし、私たちの国は、近代化によって戦後復興から高度成長を実現する一方で、都市化や核家族化が進み、老後も子育ても、自分や家族の力だけでは、地域の自主的なつながりだけではどうにもならない社会になっています。日本国憲法がうたう『個人の尊厳』に鑑みれば、これらを家族、特に女性のみに押し付けることは許されませんし、不可能です。それなのに、時代おくれの社会像に縛られ自己責任を強調する社会では不安と閉塞感が広がるばかり。

 今こそ、自己責任論から脱却しましょう。社会全体で「支え合う安心」の仕組みを構築することを最優先に掲げましょう。私は、老後や子育て、あるいは雇用問題など、困ったときに社会全体で「支え合う」仕組みを構築し強化することで「安心」して暮らせる日本を作り出します。

■豊かさの分かち合い

 第二に、「豊かさの分かち合い」によって経済を活性化します。

 昭和後半の日本は、規格大量生産による輸出の拡大に引っ張られて経済成長してきました。いわば「成長するから分配できる」時代でした。輸出企業を念頭に、「成長」を後押ししてきたことは、あの時代には一定の合理性がありました。

 しかし、バブル崩壊後に経済が低迷し続けている主たる原因は、輸出ではありません。新興国の追い上げなどによって国際競争力は低下をしてきましたが、今なお一定の力を持っています。ですから、輸出の成長率は、日本経済全体の成長率を大きく上回り、国際収支も黒字基調が続いてきました。日本は、国全体として貧しくなったわけではありません。

 経済の最大の問題は、国内でお金が回らない構造になってしまったことです。大企業が成長して大きな利益を上げても、賃金や下請けなどに分配される部分、国内投資に回る部分が限られ、内部留保が積み重なるばかり。適正な分配がなされないために多くの国民の可処分所得が伸びず、経済の過半を占める内需が成長しないことで、全体としての経済成長の足を引っ張っています。日本が先進国となって経済が成熟化し、人口増から人口減へと大きく前提条件が変わった以上、半世紀前の考え方が今も通用するはずないのです。この実態から目を背けても経済の安定的発展はありません。

 「分配なくして成長なし」。

 私は、社会の変化を踏まえて経済政策の根本を転換し、「豊かさの分かち合い」を進めることで、一人ひとりが豊かさを実感できる社会と、内需が着実に成長する経済を実現します。

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