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  • 橋本岳

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」について(その2)

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 前回のブログでクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について記しました。その後2月10日に、加藤勝信厚生労働大臣より横浜に駐在して本件の現地責任者を務めるよう命じられました。その後は、打ち合わせのために一度本省に戻った以外は、大黒ふ頭にいます。百聞は一見に如かずといいますが、やはり公表資料や報道だけではわからない状況が多々ありました。改めて現時点(2月16日夕方)の状況を整理します。数字等は公表資料に基づき記しますが、コメントなどはあくまでも私見を記すものであり、政府ないし厚生労働省の見解ではありません。また新たな事態の発生により、変化し得るものです。ご留意ください。

【検査結果などについて】

 ダイヤモンド・プリンセス号は、乗客2,666名および乗員3,711名が乗船して2月3日に横浜港に到着、臨船検疫を続けています。発熱や呼吸器症状のある方や高齢者からPCR検査を行っています。16日0時現在で、のべ1,219名のPCR検査結果が判明しており、陽性が355名、陰性が864名です。潜伏期間があるため、いつ感染したかはわかりませんが、これは相当に高い感染率と言わざるを得ません。陽性が判明した方は医療機関に搬送し入院していただいています。なおこの結果は乗員・乗客ともに含みます。また入院した方の中には、重症の方もおられます。

 ひとつの課題は乗員の方々です。アルコール消毒薬を配布し、専門家の方に手指消毒の仕方を指導していただき、マスクや手袋着用をしていただいています。当然、発熱したりPCR検査陽性が判明した場合は、休業したり入院したりしていますが、そのためにサービスに支障が出はじめています。代替可能な業務については、自衛隊にご協力をいただいています。

 また、乗客にはご高齢の方が多いため、もともとの持病(基礎疾患)や、部屋での生活による影響があり、新型コロナウイルスによる感染症ではない症状で救急搬送になる方も日々発生しています。調査によると、乗客の最年長の方は90歳代で、70歳代の方が約1,000人、60歳代の方が約900人を数えており、とても高齢化した町ひとつを預かっている状況に近いです。

 ただ幸いなことに、新規の発熱患者の数は日々減少してきており、各種防疫対策が着実に効果をあげているかもしれません。

【検疫の終了について】

 さて、2月5日から検疫による14日間の健康管理機関が開始しており、2月19日朝にこの期間が終了することとなります。昨15日夕方に加藤厚労相が基本方針を発表しましたので、具体的に検疫の終了までのプロセスについてお報せできるようになりました。

 現在、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の皆さまに、順次PCR検査の検体採取を行っています。おそらく今日明日中には乗客全員の採取が終了するものと見積もっています。この結果が陽性の方や陽性の方の同室者を除く方については、健康確認を行い問題のない方について、更なるPCR検査は行わずに、順次下船していただきます。

今の計画では、条件が整った方は19日から下船が開始でき、21日まで順次下船いただけるものと予定しています(PCR検査の検体採取および結果判明までそれぞれに時間と人手を要すること等から、どうしても順次の下船となってしまいます)。この方針については、さきほど(16日夕方)、船内放送で私から日本語で、ジェナロ・アルマ船長から英語で、アナウンスいたしました。

 陽性だった方は、結果判明次第順次医療機関に搬送となります。また、本人が陰性であっても同室の方が陽性であった場合は、感染防止対策がとられた時点から14日間の健康観察機関が始まることになります。この方々は引き続き船内で過ごすのか、別の施設に移っていただくのかは、現在検討中です。なお、報道では相変わらず「新たに70人の感染が確認」といった報道となっています。上記の通り検疫終了に向けて全員のPCR検査を行っているため、その結果が日々更新されていくのでそのような報道となるのは理解しますが、個人的には、現在のPCR検査は、もちろん陽性の方について必要な対応は行いつつ、陰性の方を確認することに意味があると思っています。

 また乗員の方々の多くは、乗客へのサーブや船の運航に従事しており、個室管理をしているとは言い難い状況があります。個室に移り業務を控えていただいてから健康観察機関が開始されることとなりますが、そのためには大多数の乗客が下船する必要があるものと考えます。また、乗員の方々の健康観察機関中の食事提供等については、船会社と政府で協議と検討を行う必要があります。

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