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8カ国語、海軍従軍、同性愛告白……米民主党 有力候補ブティジェッジの華麗な経歴と急所 - 「週刊文春」編集部

 アメリカ人ですら発音しづらい名前の持ち主が、米大統領選、民主党候補指名争いを席巻している。

 2月3日、初戦となったアイオワ州の党員集会で、ピート・ブティジェッジ氏(28)は世論調査3位の前評判を覆し、バーニー・サンダース上院議員(78)を0.1ポイントの僅差で抑え、暫定首位に立った(2月11日現在)。


巧みな演説にも定評がある ©共同通信社

「予想外の不人気に見舞われたバイデン前副大統領の票が、ブティジェッジ氏に流れた」(外信部デスク)という。

 70代がひしめく候補者レースで、その若さが際立つブティジェッジ氏は、インディアナ州の中都市サウスベンド市の出身。ハーバード大学と英オックスフォードで学び、大手コンサル「マッキンゼー」で勤務。8カ国語を操り、輝かしい経歴を引っ提げ、地元サウスベンド市の市長に当選したのは29歳の時だった。

 8年間の市政では、いわゆる「ラストベルト」の一角をなす町において、中心部の再開発と新興企業の呼び込みなどで半世紀ぶりに人口増加を達成。しかも、市長時代、海軍予備役の将校としてアフガニスタンで従軍した異色の経歴をもつ。また同性愛を公表。18年にデートアプリで知り合った男性と結婚し、選挙集会で「夫」と壇上でキスを交わす場面も珍しくない。

最大の弱点は、マイノリティと若者の支持が集まらないこと

 そんな話題性には事欠かない経歴だが、政策についての評は聞こえてこない。

「その経歴から急進的なリベラルとみられがちだが、中道左派です。サンダースやウォーレン上院議員など、民主党の急進左派のお題目ともいえる国民皆保険はバラマキだと批判。その一方で、トランプ氏が実績としてアピールする連邦法人税の減税も批判し、時給15ドルへの最低賃金の引き上げを掲げるものの、目玉といえる政策がないのが実情です」(現地特派員)

 最大の弱点は、マイノリティと若者の支持が集まらないことだという。

「第3戦のネバダでは中南米系のヒスパニック、第4戦のサウスカロライナでは黒人の支持率が伸びていない。市長時代にマイノリティ対策を取らなかったと指摘されていますが、同性愛に不寛容な黒人が多いとも分析されている。またフォーブス誌の調査で18~29歳の間での支持率はわずか3%。同性愛の公表もアピール材料に組み込む姿に鼻白むミレニアル世代が意外に多い」(前出・デスク)

「第3の男」の思わぬ躍進に混乱する民主党。皮肉にもトランプ再選に、また一歩近づいたのかもしれない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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