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COVIDと対峙するために日本社会が変わるべきこと

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武漢で猛威を奮っていたCOVID-19が、日本で蓋を開けてみたら案外軽症で「風邪みたいなものだ」と報告されたとき、多くの専門家がこれを「朗報」ととりました。白状するとぼくもそう思っていました。

確かに、ほとんどの患者が自然治癒する軽症感染症である事実は「半分は」朗報です。が、半分は違う。

なぜ、SARSは抑え込めたのに、COVIDは抑え込みにくいのか。このことを昨日議論していました。あ、他者との対話は大事です。特に身内でない「他者」との対話は。仲間内の会話はシュプレヒコール的高揚感や自己憐憫をもたらしますが、同時に視野狭窄傾向も作るので程々にしておかねばなりません。

さて、COVIDはなぜ抑え込めない、とCDCのトップにまで言わせるのか。根拠はいろいろでしょう。しかし、ぼくはその根拠の一つは「発症初期が軽症である」ことにあると思っています。潜伏期間ではなく。

重症化した場合のCOVIDは発症7日程度で呼吸状態の増悪があると中国からの報告があり、日本の重症例もそういう事例が多いようです。初期は軽症なので受診動機が小さい。よって、「発症から受診までの時間が長くなりやすい」傾向をこのウイルスはもっているのです。発症から受診までの時間は「人」は「社会」の属性だとぼくは思っていましたが、そこにウイルスの特徴も混じっていたのです。よって、重症発症の多いSARSよりも本ウイルスは広がりやすい。

そして、勤勉な日本人は風邪症状くらいでは休まない。

自宅で安静にもしないし、受診もしないかもしれない。和歌山の事例がまさにそうでした。当該医師を責めているのではありません。あれは日本医療界の縮図で、「熱が出たくらいでは休まない」はぼくも含めて日本医療界が、そして日本社会がどっぷり浸かっているエートスであり、和歌山の事例はその一つのサンプルに過ぎないのです。

このウイルスは日本の社会でこそ広がりやすいウイルスなのかもしれない。他の国では感染の広がりが観察されにくいのに中国のほかは日本でだけ感染が広がっているのは、のちにYomiDrに書くような「失敗」もあるのでしょうが、ここがポイントのひとつなのかもしれないのです。

そこで、冒頭のお勧めをもう一度。

1.風邪をひいたり体調を崩したら家で休む。社会もそれを許容する。
2.しんどくなったらマスクを付けて速やかに病院を受診する。しんどくなければ必須ではない。しんどさの基準は個人差があるので個々の判断で。
3.自宅に家族がいれば、病気の人はマスクを付けて、神経質に何かに触るたびに手指消毒をする。何度でも。
4.仕事や学業を効率化する。人が集まらねばならない会議は最小化してメールでできること(特に連絡事項)はすべてメールやチャットなどでやる。自宅でできる仕事も自宅でやる。
5.医療リソースと公衆衛生リソース(役所含む)を大切にする。モノと人。マスクを無駄遣いしない。人も無駄遣いしない。すぐに病院に駆け込まない。「何かあったらすぐ病院に」と勧めない。夜中の記者会見など無駄なことはしない。というか、記者会見もチャットでやるといい、昼間に。

日本社会のエートスがCOVIDによりvulnerableなエートスだ、という仮説に基づくならば、今やるべきは日本社会固有のエートスと立ち向かい、これを乗り越えることです。上記「1〜5」は日本社会でできない「あるある」なことばかりなのですが、これをあえてやるべきだとぼくは主張します。色々ヘマはありましたが、COVID問題はまだ始まったばかりです。方向転換をするならば今でしょう。

文章の内容は個人の意見で所属先のそれとは無関係です。

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