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新型コロナウイルスで「脱中国化」する日本

■ラオックスの「希望退職者募集」が意味するもの


 中国発の新型コロナウイルスが今まさに日本でも猛威を振るおうとしている矢先に、免税家電量販店のラオックスが「希望退職者を募集する」と発表した。その数、全従業員の20%にあたる140人(子会社のシャディを含めると160人)。

 ラオックスと言えば、昔は激安のパソコンショップとして名を馳せた企業だと記憶しているが、不況の影響で10年程前に中国企業である蘇寧(そねい)の傘下に入り、社長も中国人の羅怡文氏が務めている。

 昨年から既にインバウンド需要に翳りが見え始めていたが、ここに来て、中国で伝染病が発生したため、更なる企業業績の悪化は避けられないとの判断なのだろう。インバウンド需要の変化(減少)は一過性のものではなく、ある程度は長期化すると見越した上での人員削減なのだろうと思われる。

■「インバウンド消費」の曲がり角に立つ日本


 日本経済はバブル崩壊後、「失われた30年」とも言われ、バブル期とは打って変わって、将来の先行き不安から多くの人々が財布の紐を固く締め、お金を散財しなくなった。一方で、バブル経済の真っ只中にあったお隣の中国人の一部は、どんどんとお金持ちになり、日本に訪れて、高性能で安全な日本の商品を日本人に成り代わってゴッソリと購入してくれた。その旺盛な購入意欲は、かつて札束を手に握り、タクシーを待っていた日本のバブル期の成金の人々の姿そのままだった。

 その景気の良い姿に気を良くした日本の商売人達は「お客様(中国人)は神様」と言わんばかりに、我先にと中国人旅行者の獲得に努めた。
 日本のバブル期を彷彿とさせる中国人の購買姿勢は、いつしか「爆買い」と呼ばれるようになり、「インバウンド消費」という言葉がテレビや新聞のタイトルとして踊り、お茶の間を賑わせた。

 政治的には、日本の尖閣諸島を乗っ取ろうという思惑を抱いた中国に「ノー」を突き付けても、その国からの一般旅行客は別物とばかりに「ヨイショ」する。
 政治と経済で明らかな二重基準(ダブルスタンダード)を貫いてきた日本だったが、今回の新型コロナウイルス騒ぎによって、その二重基準は改められようとしているかに見える。

■「目に見えないウイルス」が日本を変えるという皮肉


 日本人は、唯物論者が多いせいもあるのか、殊更に目に見えないものを恐れる傾向がある。原発の放射能と同じように、ウイルスも目には見えない。こういう場合、正しい判断をするには科学的に冷静になることが求められるが、原発事故の時に判明したように、日本では、人体に全く悪影響が無い微量な放射線でも頭から…と言うよりも、脊椎反射で科学的事実を受け付けないという人が大勢いた。無論、それは過去形ではなく、現在進行形で存在している。
 今回のウイルスも放射能と同じような感覚で、脊椎反射で否定する人々は大勢出てくるものを思われる。否、既にそういった人々は存在している。

 彼らが抱いている恐怖は、ウイルスだけでなく、ウイルスを運んでくる中国人にも向いている。
 尖閣諸島を乗っ取ろうとする中国人には見向きもしなかった人々が、ウイルスを日本国内に持ってくる中国人には断固として「ノー」を突き付ける。実に皮肉な現象だが、彼らは自分自身に被害が及ぶと思われるものには実に厳しい態度に変化する。

 日本は、政治的にも経済的にも、ようやく「中国依存」から「脱中国」に舵を切ろうとしているのかもしれない。それは、短期的には大きな衝撃ではあるが、長期的には良いことであるのかもしれない。

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