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『貯蓄から投資へ』

先日Twitterを見ていましたら、私の「名言」として次のツイートがありました――本来ならば、中学卒業までに金融の基礎をしっかり教えなくてはならないのです。ところが日本の学校で教えるのは、銀行のメカニズムだけなのです。これでは、子供に泳ぎ方を教えずにいきなり大海原に放り出すようなものです。

再来年4月よりの『高校の新学習指導要領は、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定し(中略)、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになる』ようですが、私の従前の持論は冒頭のように義務教育中にそれを教えねばならないというものです。と言いますのも、義務教育を終えて後すぐに社会に出て行く若者もいるからです。

未だ蔓延る「学校で投資教育とは何事だ!」といった風潮は、私に言わせればナンセンスの極致です。これまでの学校教育の在り方がゆえ日本は、ネガティブ金利の時代にあって個人金融資産の52.9%を「現金・預金」が占めることになり、また「老後2000万円問題」でこれだけ多くの国民が悩まねばならなくなったのです。これ正に義務教育の期間に、お金をどう運用して行くかを学び、銀行預金以外の選択肢に理解を得ておくことが極めて大事だと思う所以であります。

管子』(中国古代の政治論集)に、「一年の計は穀(こく)を樹(う)うるに如(し)くはなく、十年の計は木を樹うるに如くはなく、終身の計は人を樹うるに如くはなし…一年で成果を挙げようとするなら、穀物を植えることだ。十年先を考えるなら、木を植えることだ。終身の計を立てるなら、人材を育てることに尽きる」という有名な言葉があります。

例えば、私が生きて来た時代において、リーダーシップを発揮し、日本の国力向上のため非常に大きな働きをした総理の一人に、池田勇人氏が挙げられます。彼は60年前、10年間で国民所得を倍にするという所得倍増論を展開し、実質的にそれを成し遂げた偉大な人物です。

池田氏がある意味一つの長期計画として「所得倍増計画」を打ち立てたからこそ、経済の高度成長に繋がって行ったわけです。つまりは、国の政治あるいは政策に関わるような所から一般の家庭においても、長期計画の中で様々な問題を解決すべく人を育てて行かねばならないということです。之は、義務教育からの投資教育といった文脈にも当て嵌まるものでしょう。

ウォーレン・バフェット氏(11歳から投資を開始)等々を例示するまでもなく、今この時代、高校から「基本的な金融商品の特徴を教える」などとは余りにも遅すぎます。高度化・多様化した金融商品を自己責任で選び、大幅に延びた老後を自分で設計して行かねばならない「人生100年時代」――義務教育の内にマーケットの仕組の学習を終え、長期計画の内に投資センスを身に付け磨いて行くことが益々求められると思います。

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