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湾岸地域の不安

719日、米国務省は今後数か月間、ペルシャ湾周辺に空母を2隻配備する方針を明らかにした。そのことが何を意味するかについて、まだ十分な分析はできない。 こうしたペルシャ湾岸に面するアラブ諸国では気になる動きが幾つかある。

  サウジアラビアでは、東部州におけるシーア派住民の抗議デモに関係して78日、アル・ニムル師が治安部隊に身柄を拘束された。 また、バーレーンでは人権団体の理事長ナジャフ氏が79日に逮捕され、シーア派の政治団体「イスラム行動協会」が解散命令を受けた。

さらに、71516日にアラブ首長国連邦(UAE)で「アル・イスラーハ」(改革)を名乗るイスラム主義組織のメンバーが逮捕されている(UAE国営通信によると逮捕者は7名)。

  こうした湾岸アラブ諸国で起きている政治活動が、チュニジア、エジプト、リビア、イエメン、そしてシリアで見られてきた市民による政府への抗議行動と同様のものなのか、外国勢力の支援に基づく政治活動なのかはわからない。  

一方、クウェートは6月以来、政治改革めぐり揺れ動いてきたが、716日、野党勢力が「国家宣言」を発表し憲法改正、議会・司法の制度改革を求める動きが出てきた。  

ソーシャルネットワークの普及にともなって、アラブ社会では市民が、富の格差の是正、政治的権利の要求、腐敗の是正など公平性、公正性の問題解決を各国政府に突き付けている。 中東諸国においてインターネット、携帯電話の普及がいち早く進んだ豊かな湾岸アラブ産油国でも、そのうねりが続いている。  

この大きな中東地域での政治・社会変動は、国際政治・経済に加え、エネルギー安全保障の面でも世界規模のリスク連鎖を生じさせる可能性が高い。 シリア情勢の行方が、湾岸アラブ産油国に与える影響も多面的観点で見ておく必要があるだろう。

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