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クルーズ船、単なる「入国拒否」は事態を悪化させるだけ

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大の影響で、日本を含む中国近隣諸国・地域がウイルス感染の可能性がある乗客が乗船しているクルーズ船の入港を拒否したことが非難を浴びつつある。

ウイルス感染が拡大しているこの状況で、中国近隣地域においてクルーズ船の運航を続けようとした運営会社の対応に問題があったのは確かだろう。しかしながら、日本を含む中国近隣諸国がこれらの船の入港を「単に拒否」するだけというのは、乗員・乗客を見殺しにすることに他ならない。クルーズ船は通常、燃料と食料を寄港先で調達する。しかしながら、食料は一週間か10日間で無くなるとのことである。さらに、すでに新型肺炎を発症した患者が存在すれば、どこにも入港できなければ船内で感染が拡大するのは目に見えている。安倍政権がウエステルダム号の入港を「単に拒否」したことに、ネット上では好意的な意見が多いようであるが、それは自己中心主義でしかない。

中国近隣地域・諸国に関しては、まず、この地域での新規のクルーズ船運航を当面禁止するとともに、既に航海中の船に関しては、入港受け入れの分担など国際的な連携を行うことがが必要だ。クルーズ船の乗員・乗客に関しては、全員をすぐに入国させることは難しいのだろうから、まずは港に停泊させて、感染が疑われる人から緊急搬送し、その後できれば全員に検査を受けてもらうことが重要だろう。国連やWHOは、公正な受け入れ分担のルールと受け入れ後の望ましい措置について、早急に提案すべきだ。

安倍政権の今回の対応は、自国民のことだけしか考えておらず、公正な世界秩序の形成に積極的役割を果たすことを考えていないスケールの小さいものだ。野党は、新型コロナウイルス拡散防止のために日本が果たすべき役割について、国会で政府を追及すべきである。もっとも、安倍政権自身が、クルーズ船への受け入れ対応について近隣諸国、国連やWHOと早急に協議すべきなのは言うまでもない。

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