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副業の確定申告で「還付金」をゲットした人の落とし穴

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副業での収入が20万円を超えると確定申告が必要になる。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は、「副業で源泉徴収されている人は確定申告で所得税が還付されることもあるだろう。だが、お金が振り込まれたからといって安心していると数年後に痛い目に合う場合がある」という――。


※写真はイメージです - 写真=iStock.com/byryo

3月16日が今年の確定申告の期限

所得税の確定申告の時期がやってきた。申告と納税の期間は、例年であれば2月16日から3月15日の1カ月間だが、今年は曜日の関係で、2月17日(月)から3月16日(月)までとなっている。消費税の申告期限は例年通り3月31日(火)だ。

原則、なんらかの所得を得た人が計算をして納める税金が発生したときは、確定申告の期間中に申告書を提出し、納税もしなければならないというのが確定申告である。

さて、今回は「副業」をしている人の確定申告について考えてみたいと思う。

まず、「副業」とは何か定義を確認しておこう。「副業」と呼ぶからには、当然のことだが「本業」があるはずだ。

「所得」は10種類に分けられる

企業と雇用契約を結びそれに基づいて働いていることが、主たる業務になっている場合、ここで扱う「本業」はこのタイプになるだろう。所得の区分でいうと給与所得が主な収入源という人だ。収入が給与のみの場合は原則、確定申告をする必要がない。

月曜日から金曜日までは会社に行って働いているが、土日や就業後の時間を使って収入を得ている場合、この部分が「副業」となる。ここで確認しておくべきことは、「副業」はあくまで「副業」ということだ。

所得税を計算する際、まず所得の種類を区分しなければならない。所得の種類は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10に区分されている。

本業が給与所得の人の場合、「副業」は上の10種類のうちどの所得になるのか。

「『副業』は『業』という文字がつくので、事業所得かな?」と思われただろうか。早合点すると、後で痛い目に合う可能性があるから要注意だ。

その副業は「事業」なのか

そもそも事業とは何か。広辞苑で調べてみた。

----------
1、社会的な大きな仕事。
2、一定の目的と計画とに基づいて経営する経済的活動。

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では、所得税法では、どのように書かれているのだろうか。国税庁のHPには、事業所得について下記のように書かれている。

----------
No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
【国税庁HPより引用】
----------

「副業」と一口にいってもその業態は様々だろう。誰が見ても経営をしていると見てとれるというのであれば、所得の区分は事業所得でよいだろう。だが、経営といえるほど大げさなものではないとしたら、10種類の所得のうちのどの所得になるのだろうか。

事業所得は損益通算ができる

正解は雑所得だ。先に、所得は10種類あると書いたが、9種類の所得のうちどれにも該当しない所得を雑所得という。実は、その所得が事業所得になるのか、雑所得になるのかは、税法では明確にされていないのだ。

事業所得と雑所得は何が違うのか。

まずは、給与所得等との損益通算ができるか、できないかだ。

「本業」が給与所得「副業」を事業所得で申告する場合、「副業」で損失が出たら「本業」の給与所得からその損失の分をマイナスし、給与所得から源泉徴収されていた税金の還付を受けることができる。一方、雑所得の場合は損益通算ができない。

国税庁のHPでは「副収入」、つまり「副業」の確定申告について以下のように書いている。

No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって源泉徴収された所得税額と納付すべき所得税額との過不足が清算されますので、確定申告の必要はありません。

しかし、年末調整が済んでいる給与所得者であっても、その給与所得以外に副収入等によって20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告が必要となります(給与所得者で確定申告が必要な方の詳細については、コード1900をご参照ください)。

給与所得者の副収入としては、様々なものが考えられますが、例えば次のような所得については、一般的には、それぞれ雑所得に該当します。

1 インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得
(具体例)
・衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得
※生活の用に供している資産(古着や家財など)の売却による所得は非課税(この所得については確定申告が不要)で、損失は生じてないものとみなされます。

・自家用車などの資産の貸付けによる所得
・ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得

2 ビットコインをはじめとする仮想通貨の売却等による所得

3 民泊による所得
※個人が空き部屋などを有料で旅行者に宿泊させるいわゆる「民泊」は、一般的に、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものですので、単なる不動産賃貸とは異なり、その所得は、不動産所得ではなく、雑所得に該当します。

【国税庁HPより引用】

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