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プレゼントを捨てられる~単独親権の悲劇

■離婚に伴う「別居親」の悲劇

DVや児童虐待が注目されるため、離婚に伴う「別居親」の悲劇はそこに回収され見えにくくなる。我が国の年間の離婚件数は3組に1組で20万組強、そのなかでどれだけの「悲劇」が隠されているかはわからないが、DVや児童虐待よりは確実に多いはずだ。

こういきなり一般化してもなかなか想像できないが、DV・虐待等の特殊事例以外の、多くの離婚カップルに見られる「連れ去り別居」に伴う悲劇は、メディアではほぼ報じられていない。

それは、DV・虐待のハードな事例の影響もあるのだが、「離婚過程ではたいていは女性が弱者」という固定観念や、それとほぼ同じだが「離婚に至る原因はほぼ夫側が悪い」といったこれも固定観念が背景にあると思う。

現実は、妻側が泥沼離婚を避けるため一歩引いたのだが、日本の単独親権制度のリジッドな壁に阻まれ、日々涙するというパターンもある。また、妻側の祖父母と結託して元夫を排除し、妻-妻の父母という三角形が子を取り込んでいくパターンも珍しくない。

メディアでは報じられない+「離婚したのは別居された側が悪い」という根拠のない批判から、いわゆる別居親は社会的ポジションを失い、鬱に追い込まれる。

■自死を選んでしまった別居親

また、少数のDV等事例を根拠に発信していくNPOの存在感にそれら別居親は追い込まれている。そうしたNPOは、DV支援をする立場から目立ちにくい事例(DVはないが排斥された別居親)を「ないもの」として処理していく。

DV被害者たちを守るためにそれらNPOは極端な議論に走る。DV被害者を守れ、そして加害者を糾弾せよ。

そうした単純な議論が、多数の「潜在化される別居親」の声を隠していく。

僕はそうした別居親たちへの面談支援を時々行なうが、テレビや新聞という「オールドメディア」ではなかなか報じられない悲劇が面談中には溢れている。

別居親たちは涙している。それを具体的に書くとかなりの個人情報に触れるため表現が難しいのだが、とにかく泣いている。

そのことを、僕は知ってほしいと思う。

極端な事例では、送ったプレゼント(多くは誕生日プレゼント)を、義理の祖父母が子の目の前で破壊したり捨てる場合がある。

そこまでいかずとも、別居親から届けられたプレゼントを、問答無用で送り返すことはよくある行為だ。

こうした行為の積み重ねに衝撃を受け、自死を選んでしまったであろう別居親も少なからず存在するだろうが、メディアでは伝えられない。

■思い切って子にプレゼント(アナユキグッズとか)を送ってみたけれども、送り返されてしまった

こうなると、DVや虐待といった「派手な」事例にのみ着目するNPOは、それら派手な事例に引っ張られてしまう罪作りな存在なのかもしれない。

DVや虐待は当然防止する必要があり、そのためのそれらNPOの存在なのだろう。

けれども、それらの影に隠れて日々泣いている別居親たちが存在する。

自分は、DVも虐待も関係ない。けれども、離婚の理由にそれらを相手方に持ってこられ、真偽を確定されないうちに子を連れ去られてしまった。

そして、想像もしていなかった長期間、我が子と会うことができない。

この事態は何なのだろうか。

思い切って子にプレゼント(アナユキグッズとか)を送ってみたけれども、送り返されてしまった。

最悪の場合は、目の前で捨てられることもある。「紙」のプレゼントであれば、別居親の目の前で(そして子の目の前で)そのプレゼントは破棄あるいは破り捨てられる。

そんな権利は誰にある?

「連れ去ったもの」がその権利を持つのだろうか?

※Yahoo!ニュースからの転載

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