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「夫婦は別々のベッドで寝たほうがいい」医学的な理由とは? - 梶本修身

満員電車に乗るだけでクタクタ、1人になるとどっと疲れが出て回復しない、週末はひたすら寝て終わってしまう……。その疲れ、もしかすると脳の「人疲れ」かもしれません! 脳と疲労の専門家、梶本修身先生の『“人疲れ”が嫌いな脳』は、しつこい疲れをリセットするヒントを集めた、忙しい現代人にぴったりの一冊。本書に収録された33の方法の中から、厳選していくつかご紹介します。

*   *   *

「自分の空間」を確保しよう

周囲の人とひじや肩が当たる距離は、もちろん大きなストレスです。毎日、満員電車での通勤に慣れている人でも、いつもと違う時間帯に出社したら車内が空いていてずいぶん楽だった、疲れ方が違うと感じるのではないでしょうか。

(写真:iStock.com/rilueda)

ちょっと極端ですが、私は新幹線で大阪と東京を往復する際、疲れているときには隣の席の指定券も買います。新横浜-名古屋間を買っておけば、新大阪まで隣に人が座ることはまずありません。

映画館でも、リラックスしたいときに隣に座られたら絶対に嫌だなと思うので、隣の席も子ども料金で一緒に買っています。

そうやって自分の空間を確保するだけで、疲れは明らかに軽減されます

人と接触しない状態で自分だけの空間を持つのは、家庭内でも大事です。

「気を遣わないのが家族」と前述しましたが、物理的な距離が近すぎる状態でずっと過ごすのは、家族であってもストレスになります。

ラットの場合も、なんとなく群れているイメージを持っている人がいるかもしれませんが、常にくっついたり、もつれあったりしているわけではありません。親子ならともかく、成長すれば離れていきます。くっついているのは繁殖するときです。

肌が触れ合っているのが“癒し”だと思う人もいますが、実はストレスの要因です。だからカップルがダブルベッドで寝ることもおすすめできません

物理的な視点から見ても、体温を移し合ってしまって自分の熱を発散できないため、睡眠の質がかなり低下します。

また、一方の寝相が悪ければ、やはり安眠が妨げられます。良質な睡眠は疲労回復にもっとも大切ですから、医学的に見てあらゆる面でマイナスです。

NHKの番組で、ご夫婦を指導してベッドを別々にしたことがあります。別々にするのに抵抗していたのは旦那さんでしたが、奥様は熟睡できるようになって、ほっとされたのではないでしょうか。

実際、ベッドを分けたことで疲労度はかなり回復しました。

「人疲れ」は老化にもつながる

「人疲れ」の解消にもっとも大切なのは、疲労を溜め込まないことです。

(写真:iStock.com/taa22)

疲れやストレスに最初に対処するのは自律神経ですが、そのままの状態が続くと、内分泌系まで影響を受けてしまいます。

疲労を溜め込んだ状態を医学的に言えば、「内分泌系が作動して、コルチゾールというステロイドホルモンが増えてしまった状態」のことです。そこまでいってしまうとなかなか戻れません。

「今週は疲れたわぁ」と、週末ずっと寝ていても疲れが取れなかった、という人も多いのではないかと思います。

しかし、内分泌系が動き出す前、自律神経がコントロールしている段階であればリセットは簡単です。

こまめに5分ほど休息を取るのがベストですが、折りを見て15~20分、一人の空間でほーっと大きなため息がつけるような状態でいると、まったく変わってきます

スマホなどは見ず、ぼんやりとしていましょう。理想はもちろん眠ることですが、平日はなかなか難しいので、目を閉じてボーっとしているだけで十分です。

一人きりになれなくても、人と触れ合わずにすむような喫茶店の片隅や、駅のベンチでもかまいません。5分でも10分でも、そんな一人の時間を常に意識していただきたいと思っています。

自律神経が体の状況をコントロールしようと頑張れるのは、それほど長い時間ではありません。

本来の日内変動とは別に、自律神経の持続的な疲れでコルチゾールが増えてくるのは、36時間から48時間後です。つまり、二日もすれば早くも内分泌系に影響が現れてくるのです。

だから、疲れは二日以内に解消するのが望ましい。自律神経の段階でぐっすり眠って疲れをきちんと解消しておくと、深刻な状態にならずにすみます。

内分泌系が働いた状態が長期化して、免疫系が動かざるを得なくなると、もう一日や二日では治らなくなってしまいます。できるだけ早く、そんな負のスパイラルを断ち切らなくてはいけません。

「人疲れ」に限りませんが、疲労は溜まれば溜まるほど回復しにくくなります。しかも、悪くすると元に戻らなくなる。

つまり老化にもつながっていきます

「苦労は顔に出る」と聞いたことがあるでしょう。苦労している人は顔が老けているというのは、医学的にも説明ができる事実です。

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