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「ワークマン」絶好調の理由と、ユニクロ以外の意外な“ライバル” - 森岡 英樹

 日本国内の店舗数は858店舗とユニクロを超えて絶好調な作業服販売大手の「ワークマン」が、2月末、楽天市場から撤退する。実は一昨年から自社のEC(ネット通販)を充実させようとしていたという。

「ワークマンの売上に占めるECの割合は1%台だが、来年度は自社サイトで売上30億円を目指すとぶちあげています」(取引銀行幹部)


2025年までに1000店舗目指す ©共同通信社

 1980年、ワークマンは、スーパーマーケットの「いせや」(現・ベイシア)の一部門として群馬県で創業。ホームセンターのカインズも同じグループだ。

 飛躍のバネは、08年のリーマンショックによる経営危機。建築現場で働く人向けの作業服の卸が主な事業だったが、売上が急減。そこで、個人向けのPB(プライベートブランド)商品の開発に力を入れた。

「高機能で低価格のPB商品が、アウトドアやスポーツを楽しむ人にヒット。また、妊娠中の女性が厨房用シューズを『滑りにくくて安心』とブログで書き込むなど、SNSや口コミで、女性客が来店するようになった」(同前)

 そして、18年9月に一般消費者向けの新業態「ワークマンプラス」をスタート。19年3月期の決算では年商約670億円、営業利益率20.2%を誇り、「作業服のユニクロ」と言われるまでの存在に。

「小型の空調ファンや冷感機能付きウェアが猛暑にバカ売れ。また、冬は温度調整できる電熱線が付いたベストが大ヒットした」(流通アナリスト)

急拡大を目指す背景にアノ企業の存在が……

 昨秋の消費増税の影響を受けず、今冬も順調に売上を伸ばし、9期連続の過去最高益達成を目指している。

「これまでは郊外の幹線道路沿いに店舗を構え、山手線内には出店していなかった。しかし、『今後10年間で400店出店できる』と豪語し、新宿や池袋、渋谷など都心ターミナル駅への出店を検討しています」(同前)

 なぜ急拡大を目指すのか。

「同社が4000億円と試算する高機能で低価格の作業服市場に、アマゾンが乗り込んでくると懸念している。そこで、自社店舗を物流・配送拠点として活かすことで対抗しようと考えている」(前出・取引銀行幹部)

 前出のアナリストが言う。

「国内のアパレル市場は飽和状態です。ユニクロの国内店舗数は13年の853店がピークで、今は817店に。ワークマンも急拡大すれば店舗同士で客を奪い合うことになるでしょう。同社は賃料の安い郊外型で、店舗の9割がフランチャイズ、広告宣伝やセールをしなくても売れるというのが“勝利の方程式”でしたが、都心店舗でも通じるかどうか疑問です」

 正念場はこれからだ。

(森岡 英樹/週刊文春 2020年2月13日号)

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