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新型コロナウイルスと中国政府との戦争は敗戦濃厚(金融日記 Weekly 2020/1/31-2020/2/7)

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Nikkei225: 23827.98, +2.7% (1w), +0.7% (YTD)
S&P500: 3327.71, +3.2% (1w), +3.0% (YTD)
USD/JPY: 109.79, +1.3% (1w), +1.1% (YTD)
EUR/JPY: 120.17, +0.0% (1w), -1.4% (YTD)
Oil(WTI Futures): 50.32, -2.4% (1w), -17.8% (YTD)

 新型コロナウイルスの感染拡大が報じられると市場は大きく下げたが、その後は楽観的な見通しが広がり、日米ともに当初の下落をすべて戻し、米国株にいたっては再び史上最高値を更新することになった。今後、市場がどう動くかと、新型コロナウイルスの感染拡大はまた別の問題であるが(当然であるが疫病は市場を動かす要因のひとつに過ぎない)、少なくとも新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、筆者が当初思っていたより悪い方向に行きそうだ。中国政府によるウイルスを武漢に封じ込めるという、ある意味で、人類とウイルスの全面戦争は人類側の敗北が濃厚になってきた。

 筆者は当初、中国政府の迅速かつ過激な都市封鎖によって、感染者の多くが武漢に留まり、世界で拡がる可能性はそれほど高くないと考えていた。次々と交通網を分断し、ITを最大限に活用した監視とともに人々に移動制限を課していく中国政府の動きに対して、畏怖の念を抱くとともに、心配は中国経済の落ち込みのほうであると考えていた。しかし、いまではウイルスの中国の他の大都市、そして、世界への拡散は時間の問題である、あるいはすでに水面下で流行していると考えるようになった。

 筆者がある種の予想を下方修正したのは、主にふたつの新しいデータによる。まず、横浜に接岸しようとした豪華客船に幽閉されている人たちへの感染拡大のスピードである。このような状況で、政治的に下船を許可するわけにはいかず、これはある種の感染スピードを測る人体実験となってしまった。次々に感染者が増える様子は、我々に馴染みのあるインフルエンザなどの風邪と同じぐらいの感染力があることを思わせる。

だとしたら、すでに数十万人以上は武漢で感染しており、さらに中国政府がことの重大さに気づく前の1月に500万人ほどが武漢から移動していることを考えると、そもそも感染をひとつの都市に封じ込めることなど、最初から不可能なミッションだったのではないか。また、もうひとつの情報は、中国で最初にこのウイルスによってもたらされる肺炎患者を見て、新しい疫病の発生を告発していた30代の医師が自らも感染して死亡したことである。新型コロナウイルスは、老人や糖尿病などの重い病気を持っている感染者の致死率は高くても、健康な人ならほとんど死なない、という希望がこの一例で打ち砕かれた。

●横浜の客船、新たに41人が新型コロナ WHOは日本の感染者に含めず
https://jp.reuters.com/article/japana-coronavirus-cruise-idJPKBN201038

[画像をブログで見る]

●武漢の30代医師が死亡 新型コロナいち早く警告
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000175664.html

●【識者の眼】「新型コロナウイルス感染症はSARSに類似、厳重な警戒が必要」菅谷憲夫
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=13954

 以上から、筆者は新型コロナウイルスが世界に拡がることはもはや不可避ではないか、と考えている。しかし、だからといって中国政府を批判することは的外れだ。HIVやSARSなど、患者が現れはじめてから原因ウイルスの特定までにはかなりの時間がかかっている。おそらく昨年の12月に武漢で最初の人類に感染した新型コロナウイルスは、すでに1月には中国の医学研究所で同定され、その後すぐに、他の先進国ではおおよそ不可能だったと思われる過激かつ大胆な市民の移動制限を実行に移している。情報公開もタイムリーで非常に透明性の高いものであった。それにもかかわらず、ウイルスの世界への拡散を防ぐことは非常に困難ということなのだ。たとえてみれば、それは覆水を盆に返すようなことに他ならないからである。

●新型コロナウイルスが世界を分断する(金融日記 Weekly 2020/1/24-2020/1/31)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52167754.html

★まだ中国以外での感染者の報告は少ないが、単に検査していないだけで、水面下では流行しているものと思われる。

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