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【沢尻エリカ判決】初公判より薄くなった”口紅の意味” 弁護人質問にはスラスラ、検察質問には沈黙も - 西川 義経

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「心配してくれて叱ってくれる正しい人の意見に耳を傾けることなく、現実から逃避した世界で偽りの友情にとらわれ、抜け出すことができませんでした。彼らと過ごした非生産的な日常からは何も生まれず、すべてが幻でした。結果、すべてが害でした。心の底から後悔しています」

 演技派女優のセリフだ。ただし映画やドラマではなく、法廷での発言である。

判決は懲役1年6カ月、執行猶予3年

 自宅で合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優、沢尻エリカ被告(33)の判決公判が2月6日、東京地裁で開かれ、滝岡俊文裁判官は「薬物の社会的害悪を顧みない安直な動機に基づく犯行で、相応の非難に値する」として、懲役1年6カ月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。沢尻は裁判官の説諭を真剣な面持ちで時折うなずきながら聞いていた。


2018年、映画「猫は抱くもの」完成披露試写会の舞台あいさつに登壇した沢尻エリカ被告 ©時事通信社

薬物使用は「別に」騒動より以前から

 沢尻は幼くしてモデルなど芸能活動を始め、18歳の2005年に公開された井筒和幸監督の映画「パッチギ!」でブレイク。誕生日を経て19歳になり、同じ年のテレビドラマ「1リットルの涙」(フジテレビ系)では、難病に苦しむ少女を熱演し、お茶の間に涙と感動を届けた。その後もハートフルな映画やドラマで清純な正統派のヒロインを演じ、瞬く間に一流女優への階段を駆け上がっていった。

 2007年に転機が訪れる。主演映画の舞台挨拶で司会の女性から思い入れのあるシーンを聞かれると「特にありません」。撮影中にクッキーを差し入れしたことについて聞かれると「別に」。本性が出てしまったのだろうか、20歳を過ぎた大人がすることではないと世論に激しく批判されしばらくその姿を見ることはなくなった。

 1月31日に行われた初公判、検察側は冒頭陳述で「19歳ごろから大麻やコカイン、MDMAを使用していた」と指摘した。「別に」騒動よりも前で、「清純派女優」として活躍していた頃にはすでに薬物に手を染め「現実から逃避した幻」の中で生活していたことになる。

「別に」騒動以降は、しばらく芸能活動からは遠のいたが、2009年の結婚など再びメディアを騒がせるようになる。2012年の映画「ヘルタースケルター」(蜷川実花監督)では、全身整形によって美しさとスタイルを手にしてトップモデルへと上り詰めたヒロインを怪演し、清純派とは一線を画した演技で再びファンの心をつかんだ。この映画では、薬物に手を出すシーンもあった。同年には週刊文春が沢尻被告の大麻使用疑惑を報じた。さらに2015年の映画「新宿スワン」(園子温監督)でもドラッグに手を出す風俗嬢を演じ、お茶の間では「沢尻被告=ドラッグ」というイメージがついていたことも否めない。

初公判は黒のパンツスーツに濃い赤の口紅だった

 そのようなイメージのついた沢尻被告には捜査当局からも注目されてしまう危険性が高いともいえる状況の中でなぜやめることができなかったのだろうか。

 初公判には、一般傍聴席を求めるファンらが2000人以上も集まった。開廷すると、上下黒色のパンツスーツを着て、黒い髪を後ろで結んだポニーテール姿の沢尻被告が現れた。口紅の濃い赤が美しさを際立てる沢尻被告に傍聴席から視線が集まった。

 起訴状によると、沢尻被告は昨年11月16日に東京都目黒区の自宅マンションで、カプセルに入ったMDMAを含む粉末約0.19グラム、LSDを含む紙片約0.08グラムと液体約0.6グラムを所持。裁判官から問われると「間違いありません」とはっきりとした口調で答えた。

主治医は「軽度の依存症があった」と法廷で証言

 検察側の冒頭陳述ののちに、弁護側が所属事務所エイベックスマネジメントの関係者の陳述書を読み上げた。「女優は大きな影響力のある仕事です。今回の事件は自身の立場を理解していない身勝手な行動と言わざるを得ません」としながらも「毎日のようにスタッフが面会し、2度としないとの意思を確認してきました。(沢尻被告は)改めて自分がしてきたことの恐ろしさをかみしめています。当社としてもできる支援を続けたいです」とフォローする内容だった。

 主治医による証言が続いた。

「MDMAやLSDの幻覚剤については、身体的依存は認められません。クラブで騒ぐときに数カ月に1回か年に1回かはわかりませんが、いつも使っているわけではないです」「大麻は仕事や撮影期間は使っていないが、長い休みが取れたときは『ああ使いたいな』と思って使っていた。軽度の依存症があったのではないかと思います」

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