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キャッシュレス弱肉強食突入で、オリガミ買収のメルカリは次にどこに食われるのか

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スマートフォンでフリーマーケットに参加できるフリマアプリのメルカリが、子会社でQRコード支払いスマホ決済を手がけるメルペイを通じて、QR同業のオリガミペイを展開するオリガミを買収すると発表しました。この買収、一部報道によれば1株1円に買い叩かれた実質救済であったとも言われています。

確かにオリガミは、フィンテック系ITベンチャーの雄としていち早くキャッシュレス決済ビジネスを牽引してきましたが、同様のサービスへの大手の相次ぐ参入を受けて、このところ分が悪くなってきた感が大いに漂っていました。

メルカリがオリガミを買収する意外性

共同通信社

オリガミは2012年の創業。創業時のEC決済のプラットフォームサービスから、16年にリアルの店頭決済サービスを展開してオリガミペイをスタート。17年にQRコード決済に進出。LINEペイと並んで国内のQRコード決済事業者の先駆けに当たる存在で、六本木森ビルに本社を構えるフィンテックベンチャーの雄として注目を集めていました。

転機となったのは、QRコード決済が注目を集めるにつれWEB系大手資本が続々参入してきたことでしょう。まずは楽天ペイ。続いてソフトバンクグループのペイペイ。楽天はメイン事業として楽天市場を抱え、ソフトバンクはグループ内のヤフーがショッピングモールを持っており、オリガミペイの約2万店の加盟店数はあっという間に抜き去られてしまいます。

その上、楽天、ソフトバンクの圧倒的な知名度と強大な資本を背景とした大型キャッバックキャンペーン展開等によって、サービスの認知度および加盟店数は開く一方に。いつしかオリガミは、一弱小QR決済会社に成り下がってしまったわけなのです。

そんなオリガミにトドメを刺したといえるのが、昨年末発表されたヤフーとLINEの統合でしょう。先にも述べたとおりLINEペイはQRコード決済の先駆け「同志ベンチャー」です。しかし、LINEは本業のSNSアプリ事業が順調という点で、オリガミより断然優位にあると思われていました。

そのLINEが、ペイペイを擁するソフトバンクグループのヤフーと統合の道を選んだというのは、QRコード決済事業を主業として生きるオリガミは、もはや自社単体では生き残りが難しいと言われたようなものだったわけです。

個人的にはヤフー・LINE統合発表の段階で、オリガミのどこかへの吸収は時間の問題と思いました。しかし、その相手がメルカリというのは少し意外でした。「メルカリが、なぜ今更QR強化?」という印象が偽らざるところだからです。

写真AC

狙いはキャッシュレス決済利用者の囲い込み

メルカリはフリマアプリ人気に押され、18年6月に東証マザーズに上場しました。上場後、終活整理などへのお役立ちアプリとして壮年層に受けている等のメディア報道がある一方で、決算的は赤字続きで株価も上場時の5000円台から、現在は2000円を割り込むなど右肩下がりという状況にあります。

事業展開上で最大の失敗はアメリカ進出だと言われています。日本国内でメルカリが飛躍的に成長できた理由は、積極的な広告投資でした。13年にミクシィから転じた小泉文明氏が、知名度の低さが成長を拒んでいたと判断し、大きな予算を割いてテレビCMをはじめ大々的な広告展開に打って出ます。これが功を奏して、メルカリの知名度は一気に上がり爆発的に利用者が増えたのです。

小泉氏は17年に創業者の山田慎太郎氏に代わって社長に就任し、今度はアメリカにおいて大々的な売り込みをかけようと、国内同様の大胆な広告展開を仕掛けます。しかし、結果は散々なものでした。

理由は、アメリカ人は使い捨ての国民性で日本人のようにものを大切にしない、中古品は自分の目で確認しなくては買わない、そんな日米の生活文化の違いが大きな壁になっていると言われています。

それでも多額の先行投資をした以上アメリカからの撤退はしない、しかしその間に国内も頭打ち状態からジリ貧に…。そんな中で、将来にわたって成長分野と思われたものがQRコード決済メルペイによるオリガミ買収だったということなのでしょう。

特に、メルペイはフリマの売上金をそのままQRコード支払いに転用できるという点が強みで、オリガミ買収による加盟店の増加で利用者の利便性を上げようという狙いがあるのは確実です。

しかしながら、QRコード決済事業はその手数料率は低く、事業自体の収益が爆発的に稼げるというビジネスモデルではありません。ではなぜそれでも競合業者が競って、キャッシュバックキャンペーンなどを繰り広げているのでしょう。

このビジネスの当面の終着点は、より多くの個人の購買データを集めて、それを活用したデータベースマーケティング・ビジネスにこそあるのです。ですから、より早い段階で、より多くの利用者を囲い込んで、より有効性が高く売れるデータベースを作り上げることを競っているわけなのです。

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