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「1人8200円」ディズニー離れがこれから加速する3つの理由

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重要取り組みとして注目される“ダイナミック・プライシング”

2月上旬の時点で考えると、オリエンタルランドの業績がどのように推移するかは見通しづらい。時間の経過とともに新型肺炎の感染が抑制される可能性はある。同時に、ワクチンの開発やその実用可能性など、不透明な点も多く先行きは楽観できないだろう。

不確実性が高まる中でオリエンタルランドが成長を目指すためには、新しいアトラクションの設営やイベントの運営などを通して、国内を中心に人々の関心を獲得する必要がある。同時に、混雑の緩和などを進め、より訪れやすい仕組みを整備することも欠かせない。

その一つとして、一律料金ではなく、需要の動向にあわせてサービスなどの提供価格を変動させる、“ダイナミック・プライシング(変動価格制度)”が注目される。その仕組みは人工知能(AI)を用いて需要の動向を分析し、需要の変動にあわせて価格を変えるというものだ。

需要が増えるとサービスなどの価格を引き上げ、反対に、需要が減少すると料金が引き下げられる。すでにテーマパークや音楽のライブ、プロ野球のチケットなどでダイナミック・プライシングが導入されている。

顧客とウィン・ウィンの関係を目指せ

こうした発想は、これまでのわが国ではあまり見られなかったものだ。消費者の中には、テーマパークの入場者が少ないのに混雑時と同じ料金を支払うことに抵抗感を持つ人もいる。そうした人にとって、ダイナミック・プライシングは自分自身の価値観、ライフスタイルに合う形での消費を実現する魅力的な手段と映るだろう。

休日に比べて混雑が少ない平日に、より低い価格でアトラクションやイベントを楽しむ選択肢が増えれば、「ディズニーランドに行きたい」と思う人は増えるだろう。それは、これまでに東京ディズニーリゾートに関心を持たなかった層の需要を開拓することにもつながる可能性がある。

需要動向にあわせて価格を変動させることは、企業が顧客とウィン・ウィンの関係を目指すために重要な一つの取り組みと考えられる。気象、新型肺炎などの不確定な要素が増大する中、オリエンタルランドが先端のテクノロジーを取り入れつつ、東京ディズニーリゾートの魅力をいかにして高めるかに注目が集まるだろう。

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真壁 昭夫(まかべ・あきお)
法政大学大学院 教授
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。
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(法政大学大学院 教授 真壁 昭夫)

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