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新型肺炎、中国の死者500人超す 感染者2.8万人


[上海 6日 ロイター] - 中国当局は6日、新型コロナウイルス感染による国内の死者が73人増え、563人に達したと発表した。増加ペースは加速し、3日連続で発生以来最大となった。各国は水際対策を一段と強化しており、専門家らがワクチン開発を急いでいる。

中国国家衛生健康委員会によると、5日時点で3694人の新たな感染を確認し、感染者は合計で2万8018人になった。[nL4N2A5523]

発生源となった湖北省では死者が70人増え、新たに2987人が感染したと確認された。他に死者が確認されたのは天津市、北東部の黒竜江省、南西部の貴州省。

湖北省は2週間近くにわたって事実上封鎖状態にあり、鉄道の駅や空港は閉鎖されている。

ロイターの集計によると、中国本土以外では31の国・地域で258人の感染例が報告されている。

中国本土以外の死者はフィリピンと香港でそれぞれ1人。

日本の厚生労働省は6日、横浜港に停泊中のクルーズ船内で新たに10人のウイルス感染を確認したと発表。乗員乗客で感染が確認されたのは、5日と合わせて20人となった。[nL4N2A605O]

同省は感染拡大防止のため、乗客乗員3700人に対して約2週間の船内待機を要請している。

香港に入港したクルーズ船でも乗客3人に陽性反応が出たことを受け、乗員乗客3600人が検査を受けるために船内で待機している。

台湾当局は国際クルーズ船の入港を禁止した。

1月中旬にある企業がシンガポールで開いた会議の出席者のうち少なくとも3人がウイルスに感染していたことも明らかになった。会議には海外から94人のスタッフが参加。うち1人は武漢から参加したという。会議を開いた企業名は明らかにされていない。現在、世界保健機関(WHO)が調査を進めている。

シンガポールでは人から人への感染も含め、28人の感染が報告されている。

米国では、湖北省武漢市から退避した米国民約350人が5日、チャーター機2機でカリフォルニア州の空軍基地に到着した。国務省によると、帰国者は14日間、隔離される。

一方、航空会社20数社が中国便の運航を停止するか減便する対応を取っており、米国などは2週間以内に中国を訪れた渡航者の入国を禁止した。

香港政府は、中国本土からの渡航者に検疫を実施するため14日間強制隔離する方針を発表。台湾は中国本土に居住するすべての中国人の入境を6日から禁止すると発表した。

WHOは5日、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の研究開発を加速する道筋を探るため、11─12日にジュネーブで専門家会合を開くと発表。また、多国籍の専門家チームを近く中国に派遣する。

WHOの報道官は、新型コロナウイルスのワクチン開発で大きな進展があったとの報道について問われ、「効果があると証明された治療法はまだない」とコメントした。

ワクチン開発に関する報道を受けて金融市場ではリスク選好度が上昇し、5日の株式市場と米ドルが上昇した。

コロナウイルス感染者の多くは症状が軽く、回復も早いが、肺炎などの重い呼吸器症状を引き起こす場合がある。

症状が軽いために各国の当局が把握していない感染者も多いとみられ、実際の致死率がどの程度かはまだ判断できない。

米国や中国の保健当局は今後数カ月以内にワクチンの最初の臨床試験を行うという野心的な目標を掲げているが、製薬各社は実現への道のりは長いと警告を発している。[nL4N2A61PE]

<経済への影響>

新型肺炎の感染が広がるなか、多くのアナリストが中国の経済成長見通しを下方修正した。

米格付け会社ムーディーズは、自動車販売・生産を巡るリスクを指摘している。

一方、ワクチン開発に関する報道や中国人民銀行(中央銀行)による市場支援策などを受けて、世界の市場は落ち着きを取り戻している。

5日の欧州株式市場は上昇し、米国債利回りは上昇、米株先物は急伸した。6日のアジア株式市場は総じて小幅高。

フィッチ・レーティングスは5日、感染が拡大する新型コロナウイルスにより今年の中国経済は下押しされるとの見通しを示した。2020年第2・四半期になっても感染拡大が止まらなければ、成長率は大幅に落ち込むと予想。20年の第1・四半期成長率は3%近辺になるとの見方を示した。

中国の主要貿易相手国も新型肺炎が観光や教育などの分野に及ぼす影響を懸念している。

カドロー国家経済会議(NEC)委員長ら米政府高官は、通商協議の「第1段階合意」で中国が約束した輸出の大幅拡大が新型肺炎の影響で遅れる可能性があるとの見通しを示している。

またオーストラリアのモリソン首相は6日、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大によって豪経済に「著しい」影響が及ぶとの認識を示した。[nL4N2A6137]

<企業活動への影響拡大>

キャピタル・エコノミクスは今週出した調査ノートで、新型肺炎の流行を受けて企業活動停止期間の延長を通知した中国の14の省・都市は国内総生産(GDP)の約7割を占め、同国の輸出の8割を占めていると指摘。これらの省・都市には複数の製造業集積地が含まれている。

韓国の現代自動車や米テスラ<TSLA.O>、米フォード・モーター<F.N>、仏PSA <PEUP.PA>、日産自動車<7201.T>、ホンダ<7267.T.>など大手自動車メーカーは中国政府の通知に従い、中国の工場の操業停止延長を決めている。

欧州の航空機大手エアバス<AIR.PA>は、天津市にある完成機工場の操業停止を延長したと発表。

事情に詳しい関係者によると、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>は来週、中国の工場の操業を「段階的に」再開することを目指しているが、フル稼働状態に戻るには少なくとも1週間から2週間かかる可能性がある。

独スポーツ用品大手アディダス<ADSGn.DE>は5日、中国で展開する「かなりの数」の店舗を一時的に閉鎖すると発表した。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は5日、「米中貿易戦争の恐れは後退したようにみえるが、新型コロナウイルスの感染拡大で不確実性が高まっている」と述べた。

*内容を追加しました。

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