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密漁と盗伐、止める気のあるのはどちらか?

ウナギの稚魚(シラスウナギ)の密漁に関するニュースで、水産庁は罰金を上げる方針(23年度より)というのを目にした。現在は「10万円以下」なのを一気に「3000万円以下」まで上げるという。ウナギのぼり……というより、ロケット並の急上昇だろう。

現在料理店や販売店に出回っているウナギは、いずれもシラスウナギを採取して養殖しているものだ。しかし、肝心のシラスウナギは、もはや絶滅危惧種に指定されるほど減少しているのだ。

だから、そもそも食べちゃイカンだろう状態なのだが、それでもウナギ好きの消費者とウナギ産業(養鰻業)は止められない。おかげで流通しているうちの3分の2は非合法だろうという推定もされている。当然ながらシラスウナギ漁も規制が強まっている。だが、そうなるとシラスウナギの価格は上がる。それこそウナギのぼりだ。キロ当たりの価格は2000年代は100万円以下だったのが、今や200万円を超えている。「白いダイヤ」と呼ばれており、採ったら大儲けできると、今度は密漁がはびこる有様だ。その多くが暴力団絡みの資金源になっているという。

昨年末には憂慮ル産地である高知県では、県警が密漁者の潜む「アジト」を摘発し、 男11人を逮捕した。水産庁によると、全国のシラスウナギ密漁の検挙件数は、2016年度までの5年間で計278件だが、高知県は今年度だけですでに18人を逮捕している。

しかし罰金が「10万円以下」では、密漁業者にとっては痛くもかゆくもないわけだ。そこで「3000万円以下」に引き上げておいそれとは払えない額にしようというのだから、なかなかの英断ではなかろうか。これなら効果もあるだろう。シラスウナギ以外にも、アワビやナマコなど密漁は多いが、それが資源枯渇を招いているのだ。

もっとも、違法な輸入シラスウナギや密漁以外の横流し、そして過少申告もあるから、もっと厳密に密漁の定義をしておかねばならないだろう。ちなみに2017年の漁業関係法令違反の送致件数は2629件にものぼる。

翻って林業だが……密漁に相当するのが、盗伐だ。他人の山に育っている木々を勝手に伐ってしまうのである。環境に与える悪影響は密漁の比ではない。知らぬうちにはげ山にされたら、山崩れを引き起こしかねない。当然、その山に生息していた生物にも多大な影響を与える。実は、これが近年頻発している。木材価格が下がっているので、とにかく量を出して儲けようという業者が暗躍しているだ。

盗伐そのものは窃盗なので刑事罰だが、それを認めず誤伐、つまり「間違って伐ってしまった」ことで済まそうとしている。誤伐なら民事であり被害者に賠償すればOKとなる。ところが、この賠償額が低すぎる。現状では1ヘクタール伐っても10万、20万円程度の賠償金で済ませている。これには山主が伐られた木材の価値をよくわからないという点もあるのだが、こわもて業者が脅すように示談してしまうのだ。

とにかく伐り得になるから盗伐も治まらない。本当は木材価格ではなく、罰則としての額に伐採経費と再造林経費も含めて1ヘクタール伐ったら3000万円ぐらいにしなくてはいけないだろう。それに誤伐と盗伐の境もなくすべきだ。明確に他人の山を勝手に伐ったら罰則があることを示すべきだと思う。

問題は、所管する林野庁がやる気のないこと……。罰金額を引き上げるどころか摘発の意志さえない。警察も、盗伐を立件したがらない。非常に手間がかかるからだというが、林野庁がやるべきことはまだまだある。水産庁を見習え、と言いたくなるのである。

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