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“もうひとりの陰の総理”今井総理秘書官に官房長官起用論も

安倍晋三首相(右)と今井尚哉秘書官(時事通信フォト)

 公職選挙法違反容疑で検察の捜査を受けている河井案里・参院議員と、夫で菅義偉官房長官の側近の河井克行・前法相が仮に起訴されることになれば、菅氏が責任を取り辞任する、といった説も永田町で囁かれているという。そうした中、首相官邸では“もうひとりの影の総理”が存在感を強めている。

 安倍首相の“懐刀”と呼ばれる今井尚哉・総理首席秘書官だ。経産官僚から抜擢されて7年間務め、昨年からは「政策企画の総括担当」の総理補佐官を兼務して国政全般に睨みを利かせるポジションについた。

 今井氏は役人ながら官邸内で菅氏と権力を二分する実力者として知られるが、これまでは互いに牽制しながら、菅氏は危機管理と内政全般を担当し、今井氏は外交と経済政策を首相にアドバイスするなど役割を分担してきた。

 だが、菅氏の力が衰えると、代わって今井氏の力が増大。官邸の官僚たちも、今や菅氏より今井氏の顔色をうかがうようになっているという。2人をよく知る官邸関係者が興味深い分析を披露した。

「菅官房長官も今井秘書官も官邸で安倍首相を支える立場ですが、一番の違いは“安倍愛”でしょう。不祥事対応にしても、菅官房長官は“政権を守る”ことを考えるが、今井秘書官は“安倍さんを守る”ことを優先する。そのため2人は衝突を繰り返してきた」

 桜を見る会問題でもぶつかった。

「今井氏は総理本人に釈明会見をさせ、“これで火消しできる”といっていたが、菅官房長官は“なぜ、こんなタイミングで総理に会見させるんだ”と批判していた。案の定、火消しどころか批判が強まった。

 菅さんにとって、安倍晋三を守るというスタンスで取り組まなければならない桜を見る会の対応は精神的に辛いのが見ていてわかる。会見もミスが多い。総理はそれを察知して、最近は自分を守ってくれる今井氏の言ばかり用いて菅さんをあまり信用していないようです」(同前)

 そんな今井氏にとって“目の上のたんこぶ”である菅氏が辞任すれば、自分が表舞台に立つチャンスが巡ってくる。官邸内でも、今井氏の後継官房長官就任説が急浮上している。政治評論家の木下厚氏はこう語る。

「菅官房長官は安倍首相の尻拭いばかりさせられ、“いい加減にしてほしい”という意識でしょう。国会が終わればいつ辞任してもおかしくないが、問題は後任人事です。安倍首相のお友達の顔ぶれを見ても、菅氏のように役人に睨みを利かせ、政権を纏めていく手腕を持つ人材は自民党内に見当たらない。その点、菅氏と並んで外交も内政も実質的に切り盛りしてきた今井秘書官にはその能力はあるとみていい」

 過去にも、国会議員ではない官房長官が起用された例がある。第二次吉田内閣で運輸事務次官から非議員のまま官房長官に抜擢されたのが、安倍首相の大叔父、佐藤栄作元首相だった(佐藤氏はその後、政界進出)。

「東京五輪後には総選挙が政治日程に上ってくる。異例の人事ですが、菅氏が辞任すれば総選挙までの“つなぎの官房長官”として今井氏の起用はありうる」(木下氏)

 菅辞任説の背後にはこうした思惑もあるようだ。

※週刊ポスト2020年2月14日号

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