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ウイルス禍

 月面調査を行っていた宇宙飛行士が謎のウイルスに感染して突然死する。乗組員も次々と発症しコントロールを失った宇宙船が、なんと千葉県船橋市のタワーマンションに激突する。崩壊するマンション、ばら撒かれる未知のウイルス…。船橋市、市川市、習志野市を封鎖区域にするなど、未曽有の大災害を封じこめようとするが…。

 これは昨年のアガサ・クリスティー賞受賞作「月の落とし子」のあらすじです。穂波了という著者は千葉県出身だそうで、土地勘があるようです。宇宙から千葉県へのウイルス禍の広がりは小説の世界ですが、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染は現実的な脅威です。中国本土の感染者・死者が拡大しているとともに、東南アジア諸国、米・加・仏・独・豪などにも感染拡大しています。

 渡航歴のない日本人の感染も確認され、政府は「指定感染症」に指定する政令を閣議決定しました。この決定により、患者に入院を勧告したり、従わない場合は強制入院させることもできます。医療費は公費負担です。就業を制限することもできます。また、チャーター機を用意し、現地邦人の帰国支援も始めました。新型肺炎対策に万全を期すよう、しっかりと国会でチェックしていく決意です。

 水際対策を担う千葉県には緊張感をもって対応してもらわなければなりませんが、県内でまだ患者が発生していないにもかかわらず、県健康危機管理対策本部が設置されました。成田空港は武漢への直行便もあります。中国人観光客は東京ディズニーランドが大好きです。ですから、千葉県が珍しく先見対応したことは評価したいと思います。

 昨年の台風15号に対する初動を、森田知事も猛省しているのでしょう。肝心な時に都内に散髪に行ってしまうようなことは、今回は絶対に許されません。

 国内対策に全力を尽くすことはもちろんですが、感染者がどんどん増え続けている中国への支援も重要です。日本政府や地方自治体が次々と防護服やマスク、手袋などの物資を、中国向けに緊急送付しています。困ったときはお互い様です。

 新型コロナウイルスだけではなく、他にも中国からは看過できない「侵入」があります。

 まずは、中国公船によるわが国接続水域への侵入です。昨年はその数が過去最多となる延べ1千隻にも達しました。安倍総理が自制を求めても平然と侵入し続けています。

 次は、三菱電機に対する大規模なサイバー攻撃で、個人情報や企業の機密情報が流出した恐れのある問題です。中国系ハッカー集団による不正アクセスの疑いが濃厚です。

 本年4月に習近平国家主席が来日予定ですが、新型肺炎対応で難しくなったのではないでしょうか。もし、来日されても「国賓待遇」で接遇することが妥当なのでしょうか。

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