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福島復興基本方針 事業の具体化へ総力を

産業再生と雇用確保へ
企業立地補助の拡充不可欠


東京電力福島第1原発事故から1年4カ月余り。福島県の再生に向けて、国が行う施策や目標を定めた「福島復興再生基本方針」がようやく閣議決定された。

あまりにスピード感を欠いた対応と言わざるを得ないが、国の方針が固まった意義それ自体は大きい。これまでの遅れを取り戻す覚悟で、政府は施策の具体化を迅速に進め、実効性ある事業の展開に総力で取り組んでほしい。

基本方針は、今年3月に成立した福島復興再生特別措置法に基づくもので、避難住民の帰還や医療・福祉、産業振興など400項目以上の施策が、長期にわたる財源とともに列挙されている。

県外避難者も含めた健康管理調査の継続的実施など、公明党の主張も随所に盛り込まれており、まずは合格点を与えていいだろう。佐藤雄平知事も「地元の要求が概ね盛り込まれた」と評価している。

ただし、県が「産業再生の切り札」として強く求めていた「ふくしま産業復興企業立地補助金」の増額が、「引き続き協議する」として実質見送られたのは合点できない。政府は「被災地全体のバランスを踏まえてのこと」と説明するが、未曽有の原発事故に見舞われた福島の特殊性をどこまで認識、理解しているのか、首をかしげざるを得ない。

立地補助金は、人口流出と企業撤退に歯止めがかからない福島県への企業誘致を促すため、進出する企業に費用を補助する制度。予算総額1700億円に対し、既に全国の企業から2650億円分の申請が上がっている。

現時点で既に約1000億円が不足しているわけだが、政府はここに来て補助率の引き下げも検討し始めた。福島県のみならず、進出を決めた企業からも戸惑いの声が上がっているのは当然だろう。

10日の参院予算委員会でこの問題に言及した公明党の渡辺孝男氏は、「復興意欲を阻害するもの」として政府の姿勢を厳しく批判した。だが、野田首相は補助率を引き下げる方針を変えず、補助金の積み増しについても結局、基本方針に明記されなかった。

重ねて言うが、原発事故に見舞われた福島県を他の被災県と同列に扱うのは明らかに間違っている。事故が収束しておらず、風評被害もやまない福島県の産業再生と雇用確保のためには、思い切った優遇策で企業誘致を進めることが欠かせない。

より骨太で、実効性ある基本方針とするためにも、政府は立地補助金の拡充を決断すべきだ。

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