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新型肺炎関連ニュースにみる本当に信頼できる情報とは

去年末に中国当局がWHOへ原因不明の肺炎の発生を報告してから、新型肺炎関連のニュースはあらゆるメディアを席巻している。

ニュースのバリエーションとしては、
①感染者数・死亡者数
②感染地域
③感染源(原因)の追究
④渡航・移動制限の動き
⑤政府の対応
⑥経済活動への影響
⑦感染に対する予防・防御策
等があげられる。

これらのニュースの拡散が勢いを増すとともに、フェイクニュースがそれをたきつけるように、次々と現れては消えていくのは、見慣れた光景だが、今回のは規模が大きい。

例えば、
・新型ウィルスは中国の生物兵器の秘密研究所から始まった。(英紙デイリー・スター)→ネタ元はイスラエルの元情報機関職員の話。
・カナダ国立微生物研究所からスパイが中国へウィルスを持ち込んだ。(カナダCBC放送関連のツイッター)→研究所に勤務していた中国系の博士が解雇されていた事実からの妄想。
・ビル・ゲイツ財団がワクチン開発への寄付を促すために行った自作自演。(ユーチューバーのツイートが拡散)→炎上商法。
・コウモリを食べるという中国の食習慣が原因とする動画。(人気ブロガーがパラオの動画を掲載したものが拡散)→炎上商法。
・現場、武漢の医師・看護師の内部告発をすっぱ抜いたとする動画。(SNS上やユーチューブで様々なフェイク動画が拡散)→炎上商法。

これらのわかりやすいフェイクニュースとは違い、サーベイに関するニュースは、現時点での予測の範囲内を超えないという時系列上の制約があるため、なかなか扱いにくい。

例えば、新型ウィルスの致死率は当初15%と報道されていたが、その後母集団が重症患者に縛られていたことが判明し、現在では約3%程度(厚労省発表)とされている。(中国政府の専門家によれば、武漢では5.5%、全国では約2%)

同様に、83%と報道されていた感染率も、あとになって家族での日常接触のある親族間での感染率であり(医学雑誌「ランセット」に掲載されていた論文がネタ元)、社会全体には当てはまらないことが判明している。
リンク先

感染源に関しても、当初は「華南海鮮市場」と特定されていたが、現在ではほかにも複数の発生源があるとみなされている。
リンク先2

情報の発信者、受信者とも、やたらに不安感をあおるニュースは避けたいものだが、感染症や災害などショック度の大きい事案に関わる初発のニュースについて言えば、リスクの過大評価あるいは過小評価に振れるのは仕方のない面がある。

事案が発生した当初では、データがそろわない状況下で、ニュースの需要が一気に極限まで大きくなる。
スマホを介してニュースの需要が勢いよく自己増殖していく過程で、十分に検証されない(あるいは検証できない)情報があっという間に広がるのは、避けられないだろう。

今後、このような災害が発生したとき、信頼性の不足した初発のニュースが広がるのは避けられない、という認識を頭の片隅には置いておきたいものだが、例外はいくつかある。

上述のニュースのバリエーションのうち、④渡航・移動制限の動き、⑤政府の対応、⑦感染に対する予防・防御策が、それにあたる。

④、⑤はその状況に応じてうたれる政策なので、その状況下で、正しい情報といって良い。
⑦は若干、微妙なところがあるが、権威筋が発信元であること、一般的、常識的な慣習に根差したものであること、などの条件をクリアしていれば、信頼できるだろう。

具体例で言えば、

・人ごみには近づかない。
・手洗いはキチンとする。(共用タオルは避ける)
咳エチケットを守る。
・十分な睡眠、栄養をつけ強い免疫力を維持する。

などの対応は鉄板だが、マスクの着用とうがいに関しては、日常レベルよりももう少し詳しい知識が必要。

個人的には口の中を潤わせておく、という対策も入れておきたいが、あまり一般的ではないので、除外した。

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