■アマゾンのスーパーマーケットがロサンゼルス郊外ウッドランド・ヒルズ地区にまもなくオープンするが、新たなオープン予定地が明らかになった。
OCレジスター紙の報道によるとアマゾンの食品スーパーがオープンするとみられるのはロサンゼルス郊外のオレンジ郡タスティン地区にあるパワーセンター「タスティン・マーケットプレイス(Tustin Market Place)」。
パワーセンターは平屋建てのオープン・モールであり、3つ以上の専門DS(カテゴリーキラー)が核テナントとなっている。またコニュニティーSCからリージョナルSCの敷地面積で、核テナントのリース面積が75%以上を占めている。外に向かって開口(FWYや主要幹線沿い)しているのもパワーセンターの特徴だ。
タスティン・マーケットプレイスはロサンゼルス・ダウンタウンから南東に37マイル(約60キロメートル)の距離にあり、近くにはディズニーランドやサウス・コースト・プラザSCがある。
タスティン・マーケットプレイスのテナントにはホームデポやベストバイ、REI、バーンズ&ノーブルなどがある。
アマゾンの食品スーパーは約1,000坪となるベビーザラスの跡地(2961 El Camino Real, Tustin, CA 92782)と見られており、アルタ・ビューティーやコストプラス・ワールドマーケット、ベッドバス&ビヨンドが軒を連ねる敷地となる。
OCレジスター紙が確認したところではベビーザラスだった建物の入り口にはアルコール販売に関しての申請告知が貼られていた。
アルコール・ライセンスの申請者はアマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)となっており、アマゾンの食品スーパーの店名がアマゾン・フレッシュになる可能性もあるという。
タスティン・マーケットプレイスを運営するアーバイン・カンパニー(Irvine Company)とアマゾンは現在までにコメントはしていない。
アマゾンは30日、第4四半期決算では好調な年末商戦を反映し売上高は過去最高となった。また世界全体のアマゾン・プライム会員が2018年4月に報告した1億人超から増加し、1億5,000万人を上回ったことを明らかにした。
2時間宅配が無料となるアマゾン・フレッシュは年会費119ドル(月額12.99ドル)のアマゾン・プライム会員が利用できる生鮮食料品宅配サービス。最低注文額は35ドル以上(ニューヨークなど一部には50ドル以上)となり、最低注文額を下回ると1件につき4.99ドルがかかる。
主にフルフィルメントセンターから宅配されるアマゾンフレッシュでは、1時間のスピード宅配が4.99〜7.99ドルと別にチャージされる。
一方、アマゾンには傘下の自然食品チェーン大手ホールフーズ・マーケット等から宅配するサービス「プライムナウ(Prime Now)」もある。最短1時間で宅配するプライムナウもアマゾン・プライム会員が利用できるサービスだ。
ホールフーズ・マーケットでは品揃えがオーガニックや無添加の食品となり、一般的なスーパーに置いてあるものがない。アマゾンはホールフーズとは別ブランドのスーパーを作ることでオーガニックや無添加に偏らない品揃えでリアル店舗や宅配サービスを展開していくのだろう。
トップ画像:タスティン・マーケットプレイスにあったベビーザラス。同パワーセンターのベビーザラスの跡地にアマゾンが食品スーパーをオープンする。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。世界全体のアマゾン・プライム会員が1億5,000万人を上回りました。コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(Consumer Intelligence Research Partners:CIRP)の推計(昨年9月〜12月までの消費者調査)ではアメリカ国内のプライム会員のユーザー数は1億1,200万人としています。この推計はかなりあたっているのではと思います。
一方でCIRPでは1億1,200万人のユーザー数の一部には家族などでプライム会員をシェアしている世帯も含まれているとしています。つまりアメリカではプライム会員が相当数いるため、アマゾンと競合するスーパーマーケットでは自分たちの顧客の多くがプライム会員になっていると想定できます。アマゾンが食品スーパーを次々にオープンし、スーパーでもプライム会員の特典を拡大すれば競合店は顧客を奪われることになります。競合店はこれまで以上に差別化が求められることになります。
当ブログで繰り返しているように店内にMFCを導入する食品スーパーが増えますね。