

体験取材と得意とする女性セブンのアラ還ライター“オバ記者”こと野原広子(62才)が、世間で話題になっていることに自由な意見をぶつける。今回のテーマは「東出はどこまで悪い男だったのか」。
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東出昌大(31才)と唐田えりか(22才)の不倫が大炎上している。私がまず驚いたのは、東出の事務所が即座に「報じられていることはほぼ事実」と認めたことよ。21才で週刊誌記者になってから40年以上たつけど、この展開は初めてだ。
《現在、本人はこのような事態になったことに対して責任の重さ、失ったものの大きさを実感しひたすら後悔に苛まれ苦しんでおります》
こんなコメントを出したもんだから、「浮気した側が“苦しむ”なんて言うな!」と火に油。
妻・杏(33才)は東出との結婚(2015年)の翌年に双子を出産。その翌年に第3子を出産──おめでた続きだったけど、実はこのタイミングで、東出と唐田が関係を持っていたことが、「女の敵」と認定された最大の理由よね。当時19才で映画デビューしたての唐田に対して東出は、オフの日でも「本読みしよう」などと誘い、一緒に過ごしていたそうな。
ご存じの通り、杏と東出の関係も、共演(NHK『ごちそうさん』)から始まっている。
古くから杏を知るスタッフが私の知り合いにいて、東出との結婚が話題になると、「なんであんなヤツと」と顔を曇らせてたの。「え~ッ、いい男じゃない」と私が言うと、「華がない。演技力もない、杏におんぶに抱っこのくせに、自覚がない」と、クソみそだったの。その彼から業界の人の悪口を聞いたのは、後にも先にも東出に対してだけなのよねぇ、今思えば。
これまで、東出に対する世間のイメージは、むしろ「けなげなイクメン」だった。
双子の女児が生まれた時、「彼はパリコレモデル時代に現地で自炊生活を経験していて、料理も洗濯も買い物も苦にしない。重いつわりで動けない妻のためにせっせと手料理を作り、買い物でもカゴを持って“指令”通りに商品を買ってくる。第3子の出産の時も『家事は全部自分がやる』という意気込み」と話題になっていたの。
そして、第3子誕生前には、2億円のマイホームを購入。妻と子供を大切にしている姿が印象的だった。そんな姿を私たちに見せながら、東出は唐田と“違う形の愛”を育んでいたのよね。
でも…こうした事実が明らかになった今、「許せない!」と怒るのが“主流派”だし、良識人なのは百も承知なんだけどさ。どうしても私はその輪の中に入る気になれないんだわ。
というのも、これからふたりが離婚するかどうかはわからないけれど、今、クソみそに叩かれている夫・東出は、杏にとって最初から悪い男ではなかったんだと、私は確信しているの。
というのも、しばらく前に杏の父・渡辺謙(60才)が不倫で叩かれていた時、杏は父について「まったくバカなんだから」と言っている。
この視線をわが夫に対しても持っていたと思う。東出が唐田に熱を上げて3年、何度も密会がバレて、そのたびに杏は「まったくバカなんだから」と怒り、許してきたのではないか。もっと言えば、バカな東出が嫌いではなかったのではないか…と思う。
芸能界といえど、妻だけ愛する堅ブツの石部金吉のような男もいるし、逆に浮気をしても妻にバレるようなヘマはしない利口者だっている。15才から芸能界に身を置いている杏が、そんなことを知らないはずがないわよ。
だから、あえて言いたい。
不倫した人を断罪できるのはその関係者たちで、私たち世間は、「人は見かけによらないのね。おしどり夫婦もいろいろあるのね」と噂話をするだけ。「理想の夫婦だと思っていたのに、あの男には騙された」って、鬼の首でも取ったように騒ぐことないし、ネット上とはいえ、「市中引き回しの上、ふたつ重ねて置いて4つにしろ」などと叫ぶのは野蛮すぎやしないか。
世間には杏を擁護する声が溢れ、東出と唐田に対して非難の声が殺到している。
唐田に至っては、ドラマ降板、モデル起用されていた女性誌のホームページからの削除など、その代償は大きい。
同じ“エリカ”でも大違い。麻薬取締法違反の容疑で逮捕された沢尻エリカ(33才)の場合は、その出演作が公の目に触れないことが決まった時、「作品と事件は関係ない」と彼女を擁護する声が一部にあった。それに比べて、今回のえりかに対する風当たりはどうよ。
たしかに、妻が妊娠中に誘ってきたゲス男を突っぱねなかったのね、とは思うよ。でももっと癇に障るのは、“虫一匹殺さぬ”ような、あの顔なんだって。
それに、ああ、もう言っちゃお。正直いって東出クンみたいに脇が甘々な、アホ男がいなくなったらつまらなくない? 何かの気の迷いで、もし私が彼から誘われたら、「ごちそうさん」と言っちゃうかも。いや、絶対に言っちゃうね。
※女性セブン2020年2月13日号