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米Time誌のサイト、「課金の壁」を立てて雑誌やiPadアプリの販促を

米Time誌のサイト(www.time.com/time/)は充実していた。Webのための毎日のニュース記事に加えて、週刊誌Timesの最新号の記事も事実上ほとんどが閲覧できたからだ。さらに昔の記事までも検索でき、閲覧できた。ユーザーにとって有難いことに、すべてが無料で利用できていた。

  ところが突然変わった。最新のTime誌の雑誌記事が、これまでと違ってWeb上で記事全文が必ずしも読めなくなっているのだ。2010年7月12日号の記事から、掲載基準を変えたようだ。いつものように最新号の目次は掲載されている。以前なら見出しをクリックするとほとんど全文を閲覧できた。

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 ところが目次にある幾つかの雑誌記事見出しをクリックすると、記事の一部しか表示されなくて、その後に次のようなメッセージが現れるようになった(全文を読める記事もある)。

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 つまり、雑誌記事全文を読みたければ、Times誌の定期購読を申し込むか、TimeのiPadアプリをダウンロードしなさい、ということだ。事実上の「課金の壁」を立てたのだが、壁の向こうに有料記事を置かないで、紙の雑誌やiPadアプリで閲覧させようとしている。

 
 米国のニュース週刊誌は今、経営的に厳しい状況に立たされている。Newsweek誌は白旗をあげて売却先探しに追われている。Time誌は経営状態が順調と主張しているが、収入の主柱である雑誌広告売上がなかなか下げ止まらないだけに、購読料売上を増やしていきたい。そこで今ブームのiPadアプリで、Timeの電子雑誌版をいち早く発行した。だが、紙のTime誌は年間購読料が20ドルで1冊あたり0.36ドルで済むだけに、1冊4.99ドルの電子雑誌の割高感は否めない。その上、雑誌記事コンテンツのほとんどが、ブラウザー経由でiPadからも無料閲覧できていたのだ。Webサイトの雑誌記事が無料で読めていては、4.99ドルのiPadアプリが売れるわけがない。

 iPadアプリ(Timeの電子雑誌)を売っていくためにも、また紙の雑誌を定期購読してもらうために、Webサイトに課金の壁を設けざるえなかったのだが、中途半端では。


◇参考
Time Magazine putting up a paywall to protect print?(Nieman JournalismLab)
Government for Sale: How Lobbyists Shaped the Financial Reform Bil(Time)
Time Inc.’s Web Paywall, Explained(MediaMemo)
Newsweek Gets at Least Two Bids(WSJ.com)
米Time誌のiPad版は号あたり4.99ドル、Kindle版の5倍以上の値付けに(メディア・パブ)
売りに出たニューズウィーク誌、火の車のニュース週刊誌に買い手が現れるか(メディア・パブ)

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