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野田首相にその覚悟と想定はあるのか?「尖閣国有化発言」が引き起こすこれだけのこと

今月7日、政府は尖閣諸島を国有化するという方針を打ち出した。
福島県いわき市を訪問した野田佳彦首相が記者団に対して、「(尖閣諸島を)安定的に維持・管理を継続する観点から、所有者と連絡を取るなど総合的に検討している」と明言したのである。
そもそもこの問題は、東京都知事の石原慎太郎さんが4月中旬にアメリカで行った講演で、「日本人が日本の国土を守るため、東京都が尖閣諸島を購入することにした」と宣言したことが始まりだった。
尖閣諸島購入のために都が募った寄付金は、7月11日時点で約13億5000万円に達している。
野田首相の冒頭の発言は、石原都知事の動きを受けてのことだ。
「国境の島である尖閣諸島を守る責務は国が果たすべきだ」とも述べている。

尖閣諸島は1895年、どの国にも属していないことを日本が確認して領有を宣言した。
ところが、1971年に国連の調査団が尖閣付近の海底に石油や天然ガスなどが埋まっている可能性を指摘した。
すると中国は突如、尖閣諸島を「自分たちの領土だ」と言い始めたのだ。
その後、中国の鄧小平副首相が領有権棚上げ論を提唱する。
78年に日中平和友好条約の批准書交換のために訪日したときのことだ。
尖閣諸島の領有問題については日中双方に食い違いがあるが、国交正常化の際、両国はこれに触れないと約束したと鄧小平副首相は述べた。
そして、次の世代は我々より、もっと知恵があるだろうから「一時棚上げ」と言ったのだ。
「中国との間に領有権問題は存在せず」と言いながらも、日本もその線でやってきた。

だから、今回の尖閣国有化発言は、明確な外交方針の転換である。
中国も台湾も、当然、絶対に認めないはずだ。

今回、日本が外交の筋を通したことは僕も認める。
ただ、中国、台湾は日本の外交方針を認めないから、徹底的に嫌がらせを してくるだろう。
一昨年の中国漁船衝突事件のときの中国の対応とは比べ物にならない。
いろいろと理由をつけて中国にいる日本人を逮捕したり、日本企業との取引を突然、打ち切るなどの事件が起こるだろう。

それに対して野田政権は、どう対応するつもりなのか。
さまざまな混乱が起きたとき、対応する覚悟はできているのか。
そもそも、そのようなことをちゃんと想定したうえで国有化を宣言したのか。
外交の筋を通したのはよい。
だが、野田政権にその覚悟があるとは、僕には感じられない。
そこが国民には不安なのである。

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