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大津の事件と「タブー」という存在

大津市の中学2年生自殺の事件、問題の根本原因、再発防止のポイントを考えれば考えるほど、何か得体のしれない深い闇に引きづり込まれていくかのような、スッキリしない嫌な感じを覚えるのは私だけでしょうか。もちろんその一旦は、先週拙ブログでも取り上げた「隠ぺい」の構図にあることは間違いないのですが、何かそれだけではない不透明感が一連の事件の流れ、事件報道、関係者の発言等々から漂っているように思えてならないのです。

いじめはその度合いの違いはあるにせよ、ストレス社会が生む必然的人間行動としてある程度は避けられないものなのではないか、とは私の思うところです。大人社会にもある種のいじめ行動と受けとめられるパワーハラスメントとうものも存在しています。しかし、社会経験未熟な子供社会では、行き過ぎたいじめや回避のすべを知らない被害者の存在が、自殺と言う悲劇を生んでしまっているわけです。

子供社会におけるこのような悲劇防止には、いじめの芽を経験豊富な大人が摘むことでレスキューの役割を果たす必要があるわけなのですが、今回の事件ではそれが全く機能しなかった。ここに来てまたぞろ噴出する大人たち特に学校教師の明らかな「見て見ぬフリ」はなぜ起きてしまったのか。さらに一連の報道は学校や教育関係者の責任追求こそすれども、そこに対して明快な回答が得られない。これらがために私のモヤモヤ感は高まる一方になっているのではないか感じています。

ではいったい何がそうさせているのでしょうか。このようなモヤモヤ感が感じられるような場合、そこに「タブー」と言うものが存在していることが往々にしてあります。「タブー」とは。最近あまり耳にしなくなった言葉ですが、この場合の辞書的な意味合いは、「禁止された事物や言動。それについて極力、言及しないこと。禁忌。禁制」。特定の地域や特定の集団においては、様の古今東西を問わず、この「タブー」というものが厳然と存在してます。

今回の事件に関して、どう考えても納得のいかない事件に至った関係者の動きや、その後の歯切れの悪い報道内容等からは、この地域に由来するある種の「タブー」の存在があるのではないかと思えてなりません(実際、真偽のほどは定かではありませが、一部ネット情報では、事件発生地域周辺における「タブー」的存在を具体的に指摘をしているものもあるようです。裏付けのとれていない情報なので、ここには取り上げません)。「タブー」が人の正義的行動を抑制させることが悲劇を生み、「タブー」が報道にブレーキをかけることで問題の根本的解決や真の再発防止に向けた行動を鈍らせているのではないかと。私のモヤモヤ感はそんなところに原因を求めている感じです。

「タブー」はそれを口にすることが「差別」につながるものとして、公言することが不適とされる正当な理由に裏付けられる場合もありますが、相手方の「差別」行為等過去の負い目を逆手に取り歪曲した既得権として、それに触れさせないことから発展して悪意を持って強大な力を行使し理不尽がまかり通るケースも間々あるのです。後者のような場合でも、善意の「タブー」関係者になんらかの被害が及ぶ可能性も否定できず、歪曲した既得権をなかなか排除できないというケースもあると聞きます。

また「既得権とタブー」という観点で申し上げるなら、原発の問題もオスプレイの問題も、要は「政治的タブー」が政治家の言動を不透明にさせ、問題の本質を見えにくくさせているとも言えるのではないでしょうか。現代において「タブー」とは一体何なぜ存在するのか。なぜ「タブー」はなくならないのか。過去の体制が臭いものに蓋をしてきたことの積み重ねが「既得権」とそれを脅かす「タブー」を生み、そのことが新たな悲劇を生みだしているということもまたある種の真実なのではないかと思うのです。「タブー」は、実にいろいろな問題の陰に存在しているものなのです。

大津の事件の陰に、もし本当に「タブー」の存在があるのなら、正義の第三者であるべき報道メディアはその「タブー」から反射的な回避をするのではなく、「タブー」とどう向き合うのかを考えその考えを国民に提示する機会としてもらえないものかと思うところです。ひとつの尊い命が失われた事件を、単なる関係者の責任追及で終わらせるのでなく、過去の過ちを正しこれからの社会づくり資することもメディアの使命でもあるはずだと思うからです。

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