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平成24年7月17日

聖域を作るな

 滋賀大津市の中学2年生の自殺について、同級生たちの陰湿ないじめや教師の見て見ぬふりの実態が明るみとなり、大きな波紋を呼んでいます。

 私は自民党の法務部会長として、この問題がもはや犯罪の域に達していると確信し、また人権行政がどのようになっているのか、また逆に加害少年者側のプライバシーがインターネット等を通じてさらされていることへの対応を検討しなければいけないとの思いから、文部科学行政上の問題点を所管する下村博文文部科学部会長に呼びかけ、先週関係省庁からの担当者を集めて合同検証会議を開催しました。

 この問題では学校や教育委員会の隠ぺい体質が指摘されていますが、当初は警察も非常に及び腰でした。被害者の親の届け出も軽視、教育委員会におざなりのヒアリングをして事件化することがありませんでした。私は警察庁に、本来自殺教唆などの犯罪の疑いがあれば、警察は直接関係者を取り調べる等の捜査ができるはずではないか、と問いただし、この合同検証会議の日に警察の捜査は実行されました。

 文部科学省もこの問題への関与は極めて消極的でした。安倍政権時代に地教行法が改正され、緊急に生徒の生命・身体を保護する必要が生じ、他の措置によってはその是正を図ることが困難な場合、教育委員会の対応に関しても文部科学大臣は是正の指示ができるとされているにもかかわらず、こうした措置は一切なし。「もう生徒さんは亡くなっているのですから、この規定(50条)の適用はありません」と平然とこの合同検証会議で文科省の担当者は答えました。
 そうした生命に関わる事件があった場合の調査などにもきちんと文科省の強制権限を明記することを検討するよう求め、また、過去において自民党時代に小渕文科政務官がすぐいじめ事件の現場に聞き取りに出かけたように、人材を現場に派遣するよう求めました。

 こうした私たちのスタンスに関しては、地方分権や教育の自主性という観点から反論も予想されます。しかしいじめが犯罪という国家的な対応を必要とする場合に、国がその職責を果たすことができないようであれば、かえって日々の教育の現場での自主性を信頼し、そこに任せることが困難になってしまうのではないでしょうか。

 思い出すのが平成7年のオウム真理教への強制捜査です。私は司法試験受験生でしたが、当時は各種団体の自主性を重んじ、法律の適用や司法審査を団体内部の問題に及ぼすのを差し控えようというリベラルな法実務が強くなっていました。無論犯罪捜査などはこうした理論からは外れるのですが、私はこうした一連の法実務の方向性が殺人教団の出現を許してしまった側面があると感じていますし、いまだにオウム後継団体が存続していることは問題だと思っています。

 地方教育の現場や団体の自主性を重んじつつ、それを「聖域」とすることなく、国として関与するべき問題が生じれば毅然として対応することを求めていく考えです。

相次ぐ地元行事

 夏に入り、お祭りなど各種地元行事も多くなってきました。いつ解散になるかわからないという政局の中、地域の国政に関する声を受け止める意味からも、積極的に参加して参ります。

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