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小手先の手直しでは追いつかないー公明党の二枚看板を検証する❺

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選挙時に掲げる政策公約と暮らしの向上

任期4年を待たずに、ほぼ平均3年で解散されて行われる衆議院総選挙。そして着実に3年ごとにやってくる参議院選挙。その合間に行われる地方議員選挙。その結果、地域の最前線では、ほぼ毎年のように選挙に追われる。公明党の場合、その都度、議員たちが当選後に働いて挙げた実績が語られ、次に向けての政策、公約が掲げられる。とりわけ大衆福祉の党・公明党は、庶民の暮らしをどう守ったかが、大きく問われる。

昨年夏(2019年)の参議院選挙では、「小さな声を聞く力」のキャッチコピーのもと、「経済の好循環」を着実に推進し、景気に力強さを与え、軽減税率の実施などで、景気を下支えしつつ、その実感を「家計」へ届けることだと、訴えた。また2017年の衆議院選挙では、公明党は「教育費負担の軽減へ」を掲げて闘った。政治改革の嵐が吹き荒れた平成の始め頃や、政権交代の突風が渦巻いた10年前頃とは大きく違う。より細かな政治・経済課題を掲げて公明党は闘ってきている。その結果、教育費負担軽減や軽減税率の実施による恩恵は明確に生活を潤し、痛みを和らげている。

しかし、それで、庶民の暮らしは大きく好転したといえるのだろうか。政治腐敗で荒れ狂った30年前。自民党と社会党という世界観を異にする政党同士が窮余の一策で組んだ25年ほど前。更に、毎年のごとく首相の首がすげ替えられたすえ、およそ杜撰な政権へと交代した10年前。こうした過去の時代よりも、政治は安定してきたかに見える。

確かに、政治課題としての福祉に対する各政党の取り組み姿勢は一段と強まってきた。だが、いつまで経っても楽にならない暮らし。明らかに質的に落ち込んだ生活実態を前に、多くの人はなにか根本的なところで歯車が狂ってしまってると考えざるを得ないのではないか。そういう時に、改革よりも安定を叫ぶ選挙は明らかに目的を取り間違えているとわたしには思われてならない。

全世代型社会保障の構築に寄せる期待

安倍第二次政権も、私が議員を引退したあと直ぐに誕生したから、はや7年が経つ。この間国際経済のグローバル化はグイグイ進み、米国でのIT、デジタル産業は超スピードでの巨大化を成し遂げ、僅か1%の企業が残り99%を支配する。また、中国における経済成長も著しく、ビッグデータを駆使する産業展開は米国さえ脅かしつつある。

後に〝失われた20年〟と呼称される経済の停滞で始まった、日本の平成時代後半は、GDP世界第2位の座から滑り落ちたことに象徴される。今や低開発国並みの経済状況下にあり、近い将来、日本人が中国に出稼ぎに行く日が来るとの噂話がまことしやかに伝えられるほどである。

日本の社会、経済の構造が深く静かに変化してきているにもかかわらず、旧態依然とした対応で米中の狭間に呻吟している。加えて庶民の生活実態は、巨大企業の内部留保の陰で、厳しさは募る一方。所得格差の拡大化の中で、将来生活の不安は日増しに激化している。そんな中で、政府は全世代型社会保障の構築を掲げている。人口減少と少子高齢化が進む中での新たな社会保障のグランドデザインを作ろうとの試みである。公明党はこれにいち早く、中間提言という形で、昨年末に安倍首相に注文をつけた。

このうち、年金では、高齢者や女性の就業率上昇を踏まえた上での対策を強調し、パート労働者への被用者保険適用拡大を提唱している。また、在職老齢年金制度をめぐる諸課題の検証も呼びかけている。医療分野では後期高齢者の窓口負担割合について、負担能力に応じた対応という観点で慎重な検討を求めている。介護では、介護予防に取り組む市町村への支援拡充と、介護支援専門員(ケアマネジャー)の処遇改善を要望している。

その一方で、認知症基本法案の成立にも全力を尽くすとしている。子育て支援にあっては、幼児教育・保育無償化の着実な実施や待機児童の解消に向けての多様な保育の受け皿整備を要請している。こうした提言が福祉向上に向けて有力なものでないと言うつもりはないが、今一歩迫力に欠けると言わざるを得ない。台風が押し寄せているのに、雨戸につっかい棒や補助板を打ち付け、植木鉢を移動させているようなものではないか。

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