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反社の定義、公人・私人の違い… トンデモ閣議決定の迷文集

閣議に挑む閣僚たち(時事通信フォト)

 政府の最高意思決定機関は総理大臣が主宰する「閣議」であり、国の重要方針を定めるときは全閣僚の一致で「閣議決定」という手続きをとる。内閣法ではこう定められている。

「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する」

 行政機関の全役人は、閣議決定に従わなければならない義務を負う。ところが、安倍晋三首相は、国の重要方針ばかりか、自分の主張を無理押しするためにとんでもなく珍妙な閣議決定を乱発しているのだ。

 まず最近の決定を一読していただきたい。

〈政府としては、「反社会的勢力」については、(中略)あらかじめ限定的、かつ、統一的に定義することは困難である〉(2019年12月10日)

 安倍首相主催の「桜を見る会」に反社(反社会的勢力)とみられる人物が出席していた問題で、菅官房長官は記者会見でいったんは「出席は把握していなかったが、結果として入っていたのだろう」と認めた。

 だが、反社のどんな人物を誰が招待したのかが問題になると、政府は一転、そう閣議決定した。

「定義が困難」ということにすれば“反社が桜を見る会に出席していたかどうかは判断できない”という理屈で言い逃れできる。反社対策に力を入れる政府方針に逆行する前代未聞の閣議決定だ。

 やはり桜を見る会で「安倍首相夫人の招待枠」があったとされる問題では、森友学園問題の時に続いて昭恵夫人が「公人」か、「私人」かが議論になった。そこで改めて閣議決定がなされた。

〈「内閣総理大臣夫人」とは、(中略)公務員としての発令を要するものではない。公人とは、一般に、公職にある人を意味するものと承知しており、他方、私人とは、一般に、公人の対義語として用いられるものと承知している。その意味で「内閣総理大臣夫人」は、公人ではなく私人である〉(同11月29日)

 首相夫人は公務員ではないから、いくら国費を使っても公人としての責任や義務はないという決定だった。

※週刊ポスト2020年2月7日号

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