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「“中国の方は来ないで下さい”は言い過ぎだ」今はインフル対策の方が重要?新型コロナウイルス問題に、医師で元検疫官の秋野参院議員


 湖北省武漢市を中心に流行を見せている新型コロナウイルス。中国では旧正月・春節に突入、多くの人が帰省や旅行のために国内外を大移動する時期を迎えているが、海外旅行先で最も人気なのが日本だ。春節を含む前後1カ月で、約70万人が来日するとみられているが、中国旅行社協会は、全国の旅行会社が、きょうから団体旅行やパッケージツアーの販売を中止すると発表した。団体旅行やパッケージツアーでの日本など海外への渡航が禁止される。すでに出発している旅行については、日程通り行われるという。

 一方、中国ウェイボーの「今日、中国から関西空港へ入国した。中国武漢観光客から咳と熱を検知し、病院へ搬送したものの検査前に逃げた。理由はUSJと京都へ遊びに行きたいから」という書き込みが拡散、大阪府の吉村洋文知事が「この情報はデマだ」と注意を呼びかけるなど、不安を煽る偽情報も流れ始めている。そうしたことを受けて、「中国人お断り」という張り紙をした店舗も現れている。

 24日のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した、医師で厚生労働省技官だった公明党厚生労働副部会長の秋野公造・参議院議員は、2009年に新型インフルエンザが世界的流行を見せた際には羽田空港の検疫所支所長として対策にあたり、その過程では自身も感染している。

 「サーモグラフィを置き、発熱をしている方を検出、併せて健康カードや質問票を使った。また、“熱があるかもしれない。咳をしているかもしれない”といった症状があることを申告してもらって検疫官に共有した、また、症状があれば鼻の中に綿棒を突っ込んで、拭った液を使って検査をした。陽性の方に対しては病院での受診を勧めるという対応をとっていた。

その中では、それこそ手洗い、うがい、マスクと職員に言い聞かせていた私が感染してしまった。たくさんの感染者の方を診察したのでやむを得なかったと思うが、同僚の前で自分の検査をし、陽性だったときは気まずさもあったが、“職員にかかったらどうしよう。職員の家族にうつしてしまったらどうしよう”と考えたし、未知のウィルスであるということで、変化するかもしれないという怖さもあった。次女が生まれたばかりだったので、家に隔離された時には、“家族にうつすのではないか”などの不安もあった」。

 その上で今回の新型コロナウイルスについて「やはり病原性も分からない、潜伏期も分からない、感染しやすいかどうかも分からないという具合に、ウイルスの情報が不十分だということが不安を増幅させていると思うが、WHOが23日まで検討を続け、国際的に影響が懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言については見送っている。

現時点では渡航、あるいは貿易の制限をしないということを決めている以上、“中国の方は来ないで下さい”といったことは言いすぎだと思う。今はできるだけ正確な情報を共有していくことが大事だ」と説明。

 「致死率の問題についても、仮に症状を起こしていないが感染しているという方がいて、感染者数の分母が大きくなれば、数字は小さくなってくる。過去にコロナウィルスが変化して病原性が高くなったSARS、MERSの流行があったが、MERSの致死率がだいたい3割、SARSが1割と言われていたので、それと比較すれば病原性は弱いということは言えると思う。

また、23日までの表現では、中国においても医療従事者を含む家族などの濃厚接触者同士での感染に留まっていて、他の国では封じ込めに成功している。そして我が国では日本人同士の感染は起きていない。そこは現時点として共有していただきたい情報だし、今後は封じ込めに成功するかどうかという要素が大切だ。

仮に新型コロナウイルスによる肺炎が考えられる方がいたら、医療機関を受診していただいて入院する。そして疑似症サーベイランスという国の仕組みに則って検査を行うが、先に新型インフルエンザ、レジオネラなどを除外した後に新型コロナウイルスの検査を行うため、熱があるだけで引っ掛けてくると、現状ではインフルエンザの患者ばかり出てくるという結論になるだろう」。


 そして気になるのが、水際の検疫体制だ。安倍総理は24日、「国内における感染拡大の防止や在留邦人の安全確保に向けて、引き続き全力をあげるように」と指示、茂木外務大臣は「レベル3渡航禁止勧告を発出する」とし、同日付けで湖北省について渡航を止めるように促す「レベル3」へ引き上げた。

また、政府はサーモグラフィでの健康状態の確認に加え、中国からの全ての便の乗客に対し、体調不良の場合に自己申告を促す健康カードを配布するなど、水際対策の強化を始めている。

 秋野議員は「船の場合、船医が様々な発見ができるので、港湾における検疫では有利だ。ところが空港については、検疫官の皆さんには申し訳ないが、日本全国全てが同じ対応ができているかというと、それは濃淡があると言わざるを得ない。だからこそ、自己申告をしてもらうことが重要だ。まずは飛行機の中でアナウンスを行い、ポスターなども使いながら、健康カードの中の様々な情報を読んでいただき、質問票に答えていただく。

自分では何とも思っていなかったが、そこが重要なキーだという場合もある」と指摘。「いずれにせよ、全員を検査するのは現実的ではないので、個々人がうつらないようにする。手洗い、うがいといった基本的なことだけでなく、体調を良く整えておく。睡眠や栄養をとるようなことを改めてみんなで確認していくことが重要。ワクチンも薬もないのでそれしかない」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶映像:新型肺炎よりインフル要注意?水際対策

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