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主張/駐留費の負担協議/米軍への「思いやり」廃止こそ

 河野太郎防衛相が、在日米軍駐留経費の日本側負担(「思いやり」予算)に関する日米間の新たな特別協定について、来年3月に現行協定の期限が切れるため、「今年の秋口くらいから交渉が始まる」との見通しを示しました(21日)。「米国第一」を掲げるトランプ米政権は既に、安倍晋三政権に大幅な増額を求めています。しかし、「思いやり」予算は、在日米軍の維持経費は日本に負担をかけないで米国が負担すると明記した日米地位協定にも反するものです。廃止が当然であり、増額など論外です。

「世界最高額」の負担

 米軍駐留経費の負担問題をめぐっては、米国と韓国が現在交渉中です。トランプ政権は当初、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権に対し、今年の負担額を昨年の5倍以上となる約50億ドル(約5500億円)に引き上げるよう要求したと報じられています。韓国側は反発し、今月14、15両日にワシントンで開かれた協議でも合意に至りませんでした。

 ポンペオ米国務長官とエスパー米国防長官は連名で米紙ウォール・ストリート・ジャーナル17日付に「韓国は(米国の)同盟国であり、扶養家族ではない」と題する異例の寄稿をし、改めて大幅負担増を強く迫っています。

 トランプ政権は、日本にも法外な負担増を求めています。昨年7月に当時のボルトン米大統領補佐官が来日した際、日本側負担を現状の4倍を超える年約80億ドル(約8800億円)に増額するよう要求していたと報じられています。

 「思いやり」予算の大幅増を迫る背景には、日米安保条約が「不公平な合意」(トランプ大統領)という認識があります。トランプ氏は「米国が攻撃されても日本はたたかう必要がない」「(日本を守るため)米国は多くのカネを払っている」などと繰り返しています。

 しかし、在日米軍は「日本防衛」を任務にせず、米国の世界戦略を遂行する海兵遠征軍や空母打撃群など海外“殴り込み”部隊です。米軍駐留経費負担も、米国の同盟国の中で突出しています。

 安倍政権が決定した2020年度予算案で、「思いやり」予算は1993億円に上ります。沖縄県名護市辺野古の米海兵隊新基地建設など米軍再編関係経費1799億円、沖縄県内の米軍基地移転(たらい回し)などのためのSACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費138億円も盛り込み、総額は3930億円に達します。

 元外務事務次官・元駐米大使の村田良平氏は、「思いやり」予算について「問題の根源は、日本政府の『安保上米国に依存している』との一方的思いこみにより、その後無方針にずるずると増額して来たことにある。米国は日本の国土を利用させてもらっており、いわばその片手間に日本の防衛も手伝うというのが安保条約の真の姿である以上、日本が世界最高額の米軍経費を持たねばならない義務など本来ない」と語っています。(『村田良平回想録 下巻』08年)

特別協定結ぶ必要ない

 「思いやり」予算に関する日米特別協定は1987年、地位協定の負担原則に反することから「暫定的、一時的、限定的、特例的な措置」として結ばれ、既に33年にもなります。これ以上、新たな協定を結ぶ必要はありません。米軍ではなく、日本国民の暮らしを「思いやる」政治が求められます。

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