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鉄道の深夜運行で夜の街の消費は?

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さて現在、全くの別件の調査の為に大阪へ出張に来ておるのですが、たまたま大阪メトロがナイトタイムエコノミー振興を目的として、通常深夜0時過ぎまでの地下鉄の運行を2時間後ろ倒しするという実証実験をやっていました。一応私もナイトタイムエコノミーの専門家という肩書を持っていますから夜の街に繰り出さねばということで、日中フィールド調査で歩き続けであった重い体に鞭を振るいながら、街の様子を動画レポートにまとめました。ご興味のある方は以下リンク先をご参照頂けましたら幸いです。

【実録】大阪地下鉄、終電2時間延長。その時夜の街は?
https://www.youtube.com/watch?v=N5ss20-VFwQ

当該実証実験は、後刻、電子決済情報などを集計することによって実際の経済活動の増加効果などを数字として検証するとされているもので、詳細分析はそちらにお任せするとして、ここでは私自身が大阪の夜の街に繰り出してみた雑感をお伝えしたいと思います。

その1;
これは大阪在住の方々にtwitter側で複数のコメントを頂いた内容なのですが、今回の地下鉄深夜運行は御堂筋線の限られた区間だけが対象となっているもので、そこだけが深夜運行したとしての結局、住宅地エリアまで帰れず、自身にはあまり意味がなかったとの意見がありました。これは、2013年に猪瀬都政下の東京都が同様にナイトタイムエコノミーの新興を目的とした実証実験として1年弱に亘って渋谷~六本木間の深夜バスの終夜運行を行った時にも同様の意見が見られたもので、あの時の反省が残念ながらあまり活かされなかったのかな、と思います。

当時の東京都の施策の時にもコメントし、拙著「夜遊びの経済学」にも書いたことですが、深夜交通の運行は最も需要が大きく、またオフィスエリア、繁華街、住宅街などを広くカバーする路線の「代替」となる公共交通を補完するのが最も意味ある施策で、東京ならばJR山手線、大阪ならばJR大阪環状線に沿って「深夜バス」を内回り、外回りに巡行させるのが正解。お役所の発想ですと、どうしても「既存の交通機関&既存路線の運行延長をする」という発想になりがちなんですが、実態としては「深夜だけ走る専用路線&専用交通機関」でも問題ないワケで、実はシンガポールも英国ロンドンもこういう深夜専用の特別路線がナイトタイムエコノミー振興の一端を担っているのです。

その2;
上記リンク先の動画を見て頂ければ判るのですが、実は今回の地下鉄の深夜運行で商業的に恩恵を受けた地域と、受けられなかった地域はかなり明確に別れています。恩恵を受けられなかった地域は、いわゆる一般商業のエリアで小売店と飲食店が高度に集積している地域であっても(大阪でいえば心斎橋あたり)、例え公共交通が未だ運行しているとしても深夜0時を超えると完全に街の経済活動は終って居ました。一方で、地下鉄の深夜運行の恩恵を受けていたのは風営法の定める接待飲食店(キャバクラやホストクラブなど)や特定遊興飲食店(ダンスクラブなど)が集積する、いわゆる「歓楽街」エリア。この様なエリアでは接待飲食店や特定遊興飲食店が客を集め、そこに集まった客の賑わいに寄せられる形で、一般飲食店を利用するような顧客層も地域に集まってくるという好循環が見られました。

私が今回夜の街を観察していて「難しいな」と思ったのは、ただ単に公共交通を深夜運行させたとしても都市内の全ての商業エリアが均等に稼働するワケではなく、夜の街の「にぎわい」感を創出できる仕組みがなければ一般飲食店等を利用するお客様も集まらないのだなあ、と。その様に感じた次第です。

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