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オバマ政権のユネスコ基金拠出凍結は呆れた

ユネスコで、パレスチナ参加が圧倒的な多数で決定したことは、アメリカが統治する世界から多極化した世界へ移った現実を象徴する出来事でした。しかも、もはやアメリカには中東の和平を進める資格も能力もないことを世界の各国が宣言したに等しいのではないでしょうか。

パレスチナの加盟に強い疑義を表明していたフランスも賛成したのは意外でしたが、アメリカから反対への投票を求められていた日本やイギリスも棄権しました。日本としてはエネルギー資源を頼る中東地域とは良好な関係を保っておきたい、しかし同盟国に背を向けることはできないという板挟みのなかでの棄権だったのでしょう。

しかし、それ以上にアメリカがユネスコの拠出基金を凍結したことは、アメリカのイメージを損ねるあまりに拙い外交でした。またイスラエルに取り込まれてしまっているアメリカの弱さを見せつけたようでした。

またさっそくイスラエルが報復として、パレスチナ自治区向け輸入品関税の、自治政府への送金を一時停止したり、占領地の東エルサレムやヨルダン川西岸の入植地で約2000戸の住宅建設を加速するとしています。

イスラエル入植加速 ユネスコ加盟への報復 - MSN産経ニュース :

ユネスコは、アメリカの6000万ドルとアメリカに同調して基金の拠出の凍結を発表したカナダとあわせ、7000万ドルの資金を失ったことになります。その程度だと、賛成した中国などにでも出せる金額でしょうが、はたしてどうなるのでしょう。

さてユネスコといえば、国連活動のなかで日本ほどその存在が知られ浸透している国はないのではないかと思います。世界遺産の認定をめぐっても日本は熱心です。


また日本はユネスコでの貢献度も高い国です。2010年になって拠出金を減らしたために、アメリカが最大の拠出国になりましたが、それまでは日本がトップでしたし、現在でも第二位です。アメリカとイギリスは1984年から2002年はユネスコから脱会しており、その間も日本はユネスコを支え、さらにユネスコ改革を主導し、2003年にはアメリカとイギリスを復帰させています。

それだけ重視してきたユネスコ問題なので、大手新聞社一社ぐらいはこの件に関して社説がでるのかと思ったのですが、見当たりません。たいした問題ではないということなのでしょうか

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