中国の通信機器大手ファーウェイの孟晩舟副会長がカナダのバンクーバー国際空港で身柄を拘束されたのが2018年12月。香港からメキシコに向かうための乗り換えの経由地でした。
逮捕を要請したのはアメリカのトランプ政権。身柄をアメリカに送還するかどうかの審理が今週、カナダで始りました。
足首にはGPS機能付きで動きを追跡できる足輪をつけての出廷となりました。
FTはファーウェイの孟晩舟副会長の身柄を、逮捕されたカナダから、逮捕を要請したアメリカに引き渡すかどうかをめぐる審理がカナダのバンクーバーの裁判所で始まり、ファーウェイ側が根拠は「でっちあげられた」と主張したと報じています。
ファーウェイの創設者の任正非氏の娘であり、アメリカ当局はイランでの間で行った金融取引が違法だと主張しているものの、実際にはトランプ大統領の外交政策の問題で、イランとの取引を禁じていないカナダではそもそも違法とならないと主張しました。
孟副会長の身柄拘束は、アメリカのトランプ政権が5Gと呼ばれる次世代の通信規格でファーウェイの世界的な拡大を許さないという取り組みの一環だとみられているということです。
The Guardianは、初日の20日にGPS機能付きの足輪と水玉模様の衣装で現れ、笑顔を見せながら裁判所に到着したと報じています。2日目には、孟副会長側がカナダの法律に抵触しないと主張したとしています。審理は24日まで続く予定です。
「トルドー首相は中国との関係を強化しようとしていた中でカナダは米中対立のとばっちりを受けた」といいます。
WSJは、47歳の孟副会長に対する裁判は「貿易とテクノロジーをめぐる米中の対立の世界的なシンボルだ」と総括しています。
逮捕をきっかけにカナダから穀物や肉製品の中国への輸出が減り、カナダ経済に打撃になったと指摘しています。
New York Timesは、孟副会長が2018年12月にカナダで逮捕され、その後はバンクーバー市内の高級住宅街にある2つの住宅のうちのひとつで生活していて、午後11時は必ず帰宅し、外出の際には必ず、GPS機能つきの足輪をつけて動きが追跡されていると伝えています。
一方で、カナダへの報復措置として中国に身柄を拘束されたとみられるカナダ人2人は劣悪な環境にあると指摘しています。