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近代国家なのに「保守」がほとんどいない日本

■「国家」と「国民」は「親」と「子供」の関係

「国家」と「国民」の関係を、親子関係で例えると、「」と「子供」の関係になる。

 ○親が何をしようが反対という反抗期に当たるのが「左翼

 ○親が何をしようが絶対的に信頼を寄せるのが「右翼

 ○親に尊敬の念を持ちながらも、親の悪いところは注意するのが「保守

 ○親に依存しながら、親を尊敬していないのが「似非リベラル

 ちょうど、こんな感じになるだろうか。

 この違いを考慮した上で、今回のゴーン氏逃亡事件における世間の評価を観察していると、昔も今も日本には本当の「保守」という存在がほとんどいないということに気付かされる。

■右も左も感情優先の全体主義者ばかり

 戦前、左右両極の全体主義者と闘ったとされる思想家の河合栄治郎氏が、この事件を見れば、おそらくゴーン氏を擁護する論陣を張っていたのではないかと思う。彼なら、この現状を見て「右も左も全体主義者ばかり」と嘆いたことだろう。世間の空気が左に寄れば左、右に寄れば右、という風見鶏のような全体主義者ばかりだと嘆いたことだろう。

 検察がマスコミにリークした情報を鵜呑みにし、弁護側の言い分を無視している人の如何に多いことか。
 弁護側の言い分にも目を向けると、本当にゴーン氏は罪を犯したのか?と疑問に思える部分もあるのだが、弁護側の意見はほとんど表に出てこない。

 多くの人は、まるで、ゴーン氏がお金を儲け過ぎたことが罪であるかのように批判しているようにも思える。
 かつて、ライブドア事件において村上世彰氏が、「お金儲けは悪いことですか?」と言ったことがあったが、今回の事件も同じような性質を持っているように思える。

 ゴーン氏にも確かに強欲なところがあったのだろうけれど、それが一生、刑務所に閉じ込めるほどの罪だとは正直、思えない。

■見込み捜査の失敗が「人質司法」を招く

 ライブドア事件の時にも、「検察の見込み捜査の失敗」という言葉がよく聞かれた。粉飾を行ったとされる企業を調べても脱税すらしていなかったということが判り、「大山鳴動して鼠一匹」と唖然となった人も多かったのではないかと思う。

 今回のゴーン氏逮捕も、すぐに有罪にできるほどの決定的な証拠を検察が提示できないために、ズルズルと拘束が長引いたとも考えられる。よく、テレビドラマで観る取り調べシーンのように、「罪を認めれば自由になれるぞ」「罪を認めれば刑期が軽くなるぞ」と詰め寄り、罪を認めるまで延々と拘束するという姿が思い浮かぶ。(それが人質司法)

 相手が日本人であれば、適当な理由で有罪にできたかもしれないが、ゴーン氏の場合、世界中からの監視の目が光っているので、いい加減な理由で有罪にすると、それこそ世界中からバッシングされる危険性がある。

 日産をフランスに乗っ取られたくないという裏事情もあっただろうから、その部分については同情もするが、この事件は、初めから、かなり無理筋の捜査だったことは否定できないと思う。
 誤解を恐れずに言えば、確定的な有罪の証拠を提示できなかった検察にとって、ゴーン氏が逃亡したことは渡りに船だったのかもしれない。

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