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池江璃花子、闘病の裏でコーチと苦渋の師弟関係解消

今年1月中旬、買い物中の池江選手

外出する池江選手

大きなマスクをして外出する池江選手

病魔が彼女から奪ったのは五輪の切符だけではなかった。誰もが羨むほどの良好な師弟関係を築いていたコーチとの蜜月は、唐突に終わりを告げた。彼は復帰を待つというが、それが現実的ではないこともお互いにわかっていた。2人が下した苦渋の決断──。

【別写真】タートル&デニム姿の池江選手

「地元の友達と、女子会を楽しめるまで回復しています。手足が細くなってスリムな印象です。本人は“食べられないものがいっぱいあって、筋肉が落ちちゃっただけ”と説明していたけど、この1年近い闘病生活がいかに大変だったのかが伝わってきました」

 池江璃花子選手(19才)の知人は、彼女の近況をこう明かす。白血病のため、昨年2月から入院していた池江選手が、昨年12月17日に退院したことを報告。そして、自身のインスタグラムなどに、2024年のパリ五輪を目指すと綴った直筆メッセージをアップした。

 東京五輪では、女子競泳界のエースとして金メダルの量産が期待されていた池江選手。気持ちを新たに4年後を目指すと宣言したことで、心配していたファンたちも安堵したに違いない。

 その一方で、“不可解な報告”に、日本水泳連盟の関係者たちは首をかしげる。

「池江選手は退院の報告と同時に公式ホームページ上で、東京五輪を共に目指す予定だった三木二郎コーチ(36才)との契約が、すでに解消されていたことを明かしました。2人の師弟関係は深く、何より池江選手が復活を諦めていないなら、彼のサポートが必要なはず。わざわざ発表したことで、“絶縁宣言”のように受け止めた関係者もいたほどです」(日本水泳連盟関係者)

 2人はまさに相思相愛の関係だった。2度の五輪出場経験がある三木コーチは、引退後はコーチに転身。イギリス留学などを経験して帰国した2018年春に転機が訪れる。当時高校3年生だった、池江選手のコーチ就任オファーが届いたのだ。

「当時の池江選手は、2016年のリオ五輪で活躍し、“日本水泳界の至宝”といわれていました。まだ実績の乏しい三木さんは躊躇しましたが、“このチャンスを生かしたい”という一心で引き受けた。三木さんはイギリスで“選手に選択肢を与え、自ら考えて行動させる”という指導法に感銘を受けた。選手と意見を言い合うため、時に衝突することもあるが、より深い師弟関係を築き上げることができる」(スポーツ紙記者)

 2018年6月、三木コーチは池江選手を指導するため、彼女の所属するルネサンスに入社した。結果はすぐに表れた。

 8月に開催されたアジア大会では、50m、100m自由形を含む6種目で優勝。大会MVPに輝いた。

「2人の師弟関係は日に日に深まっていきました。他人が見たらまるできょうだいか恋人かというほど親密。彼女の成績もよくなっていった。池江選手は日本大学に進学しましたが、それは三木コーチの母校だったことも大きかったようです」(前出・日本水泳連盟関係者)

 このまま二人三脚で東京五輪に挑む──と誰もが思っていた矢先の2019年1月、池江選手を病魔が襲ったのだ。

 当時、三木コーチは日本水泳連盟が池江選手の病状を明らかにした記者会見にも出席し、険しい表情ながらこんな話をしていた。

「(病気発覚直後は)お互いに言葉が出なかったんで、頭の中が真っ白だったと思うんですけど。本人に、“早く治して二郎さんと一緒に練習したい。頑張りたい”という気持ちがありましたので、自分自身、何ができるのかということを考えてやっていきたい」

 実際、闘病期間中も三木コーチは毎日のように病室に通い、体調に応じたリハビリをサポートするなど池江選手に寄り添っていたという。

 だが、三木コーチの立場に変化が訪れていた。

◆日大コーチ就任は師弟の苦渋の決断

 昨年の6月、三木コーチは池江選手が所属するクラブチーム・ルネサンスを辞め、日大水泳部のコーチに就任した。一見、池江選手を指導するための移籍かと思われたが、そうではないという。

「日大の女子競泳部員は、大学に籍を置きながらも、実際の練習は所属するクラブチームなどで、専任のコーチのもとで行うことがほとんどです。池江選手も今後も所属先のルネサンスでトレーニングする予定でした。ですから、三木コーチが日大に就職したことは、池江選手を指導しない、という意味なのです」(前出・日本水泳連盟関係者)

 そこには、双方のやむにやまれぬ事情と、苦渋の決断があった。血液専門医の久住英二さんは、池江選手の現状をこう分析する。

「退院時、池江選手が造血幹細胞移植を受けていたことが公表されました。この治療は、退院後も免疫抑制剤というのみ薬を服用する必要があります。服用期間は、半年から2年ほど。これらの薬には筋肉を落とし、骨を弱くする働きがあるものも含まれるため、服用期間中に激しい運動をすることは難しいでしょう」

 つまり、2年ほど運動ができない可能性があるというのだ。

「コーチの実績は、選手の成績とリンクします。池江選手の専属コーチだった三木さんは、彼女が復帰するまで実績がゼロになってしまう。その間、彼女を支え続けることも考えたそうですが、池江選手サイドがコーチ契約の解消を提案したそうです。

 池江選手は相思相愛のコーチと“一緒に歩けない”とショックを受けたようですが、三木さんの今後も考えて“今はそれぞれの道を”と前を向いているようです」(日大関係者)

 池江選手の入院中、三木コーチの指導を受けた日大水泳部(男子)は、昨年9月に開催されたインカレで12年ぶりの優勝を手にする。三木コーチの高い指導力が、皮肉にもさらに両者を遠ざける要因になってしまう。

「当初、三木さんは日大に就職したものの、池江選手の復帰時期次第では、再び専属コーチに戻るのではとの話もありました。しかし、三木さんは日大で早々と結果を出した。大学側は、池江選手の復帰に関係なく、このまま水泳部の指導を続けてほしいと考えるのは当然です。契約解消の発表時期を考えると、昨年末に何かしらの話し合いと決断があったのではないでしょうか」(前出・日大関係者)

 池江選手のマネジメント会社は、コーチ契約解消の発表時期について、「実際の契約解消は5月末だが、当時は池江が入院中だったため、退院後の正式発表となった」と回答。

 だが三木コーチにコーチ契約解消の真相を直撃すると、「何も答えられない」と繰り返すだけだった。

 現在の池江選手について、冒頭の知人はこう話す。

「今の彼女のいちばんの楽しみは、大学生としてキャンパスライフを送ることなんです。最近は車を運転することもあるようです。彼女は病気になったことで、水泳ばかりではない“普通”の大学生活を送れるとポジティブに考えています」

 視線の先はパリへ──池江選手は歩き始めている。

※女性セブン2020年2月6日号

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