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安倍長期政権を支える4つの柱

 通常国会が始まったが、スキャンダル探しが中心で、政策の議論は低調である。その理由を考えれば、なぜ安倍政権が長期化したかがよく分かる。

 第一の功労者は、かつての民主党政権である。国民の期待を背に政権交代を実現し、政権を担ったものの、統治に失敗し、わずか3年3ヶ月で退場してしまった。この政権が、せめて8年(衆議院の任期4年の2倍)続いていたら、状況は大きく変わっていたであろう。

 「分割して統治せよ」という言葉どおり、分裂し、非力な野党が相手では、安倍政権は揺るぎようがない。

 第二に、非力な野党に加えて、非力な自民党内ライバルもまた安倍長期政権を可能にしている。かつての中選挙区下では、三角大福中の5大派閥が切磋琢磨し、多様な政策を繰り広げていた。ところが、今や小選挙区制の影響もあって、総裁、そして首相官邸に権力が集中してしまった。その意向に逆らえば、選挙で公認されない、人事で冷遇されるということになる。

 石破派がその典型である。これでは、安倍首相と戦って総裁の座を奪おうという有力議員はいなくなる。そのような状態は、長期的には自民党の活力低下につながっていくが、「我が世の春」を満喫している天下人には、それが分からない。

 第三に、マスコミの取り込みである。NHKをはじめ、官邸番の記者を手下として活用する。新聞によっては、安倍政権の機関紙化したものもあり、安倍批判に反論することで部数を稼いでいるようである。

 全国紙の元トップを駐スイスの特命全権大使に任命するような人事は問題である。受けるほうも受けるほうであるが、これではその新聞は安倍批判ができなくなる。政権とマスコミとの関係では極めて問題が多いと言わざるをえない。このような形での政権対応は、マスコミの存在意義を喪失させるものである。

 第四に、在外公館の政治利用も目に余る。先のスイス大使の件もそうであるが、安倍昭恵夫人付きの経産省ノンキャリ職員が在ローマのイタリア大使館に出向したことは、「疑惑隠し」と言われても仕方がない。

 厚労省でも、次官候補だった人物がアゼルバイジャン大使に「栄転」させられたが、このような人事も、元厚労大臣としては納得できるものではない。

 このような状況を目の当たりにすると、官僚が官邸の意向を忖度するようになるのは当然である。トランプ大統領がウクライナ疑惑で弾劾裁判の対象になっており、外交を自分の再選のために利用したとして厳しく批判されている。安倍首相もまた、同じ批判を受けざるをえない。

 安倍政権のトランプ政権化は御免被りたいものである。

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