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「路上生活も立派なアウトドア」フットウェアブランドKEEN JAPANがビッグイシューを支援するワケ

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BLOGOS編集部

足を痛めることが多いホームレスの販売者をサポート

昨年末、アウトドア・フットウェアブランド「KEEN」が進める、ある取り組みがSNS上で注目を集めた。その内容は、ホームレスの人など困窮者の生活自立応援を行う「ビッグイシュー」の販売者が着用するためのフットウェアを贈るというものだ。

2003年にアメリカで創業、翌年に日本進出してからアウトドアファンからの支持を拡大してきたKEEN JAPAN社は、これまでも定期的にビッグイシュー販売者に対してフットウェアを贈っているほか、コラボバッグを提供することで販売者の収入支援につなげる取り組みも行ってきた。

「弊社とビッグイシューさんとの関わりが始まったのは、2008年にまで遡ります」。そう話すのはKEEN JAPANの代表 竹田尚志氏。当時の社員がビッグイシューの活動に興味を持ち、何か一緒にできないかとコンタクトを取ったことがきっかけで、現在まで付き合いが続いているという。

ビッグイシューの担当者との会話で聞いた、路上生活者の「靴と足」に関する悩みはKEENとしても放っておけない問題だった。

ビッグイシュー

彼らは靴を自分で買えず、捨てられているものを履くことがほとんどです。ただ、サイズが合わなかったり、そもそも捨てられているくらいだから、その靴はボロボロ。また、彼らは移動に公共交通機関を使わないために必然的に長時間歩きます。そうした生活の中で足を悪くする人が多いため、フットウェアブランドとして何かサポートできないかと考えました。

当時、日本の企業の中には、ホームレスの人々を表立って支援すると一部の方から批判が寄せられるという懸念を持ち躊躇する会社も多かったという。しかし「KEENはグローバルブランドなので、自分たちが公にビッグイシューをサポートすることによって、他の企業も社名を出して大々的にサポートするような動きになればいい」と考え、支援を進めたそう。

自分たちがやることは間違っていない、という信念を持って始めた支援活動はスタートから10年以上が経った。販売者からの感謝の声も多く「非常に良い靴をいただき、ありがとうございます」といった手紙が届くこともあるという。

「路上生活もアウトドアなので、自分たちの靴が最適」

アウトドア・フットウェアブランドとして認識されている、彼らが考える「アウトドア」の捉え方というのが一風変わっている。

私たちが考えるアウトドアの定義は「屋根のないところすべて」です。つまり、オフィス街のど真ん中にいる人も、路上で生活している人も、皆アウトドアなんです。そういう意味で、我々の靴がビッグイシューの販売者の人たちにとって一番いいんじゃないかという思いがあります。

こうした「屋根のないところすべて」でのライフスタイルが可能なより良い世界を未来に残すため、KEEN社は幅広い「社会貢献活動」にも関わっている。今回例に挙げたビッグイシュー支援のほかにも、災害支援や養護施設で暮らす児童支援から環境問題対策まで、様々なレベルの課題に対して積極的にコミットしているのだ。

私たちは慈善団体ではないので、もちろん売り上げと利益を出す必要があります。その一方で、では何のためにそうした企業活動を行うか、という一つの柱が社会貢献活動なんです。

竹田氏はこのように話す。社会貢献を支援する際は、ある活動にお金を出して終わりではなく、自分たちも積極的に関わって現場で一緒に何かを進めるのがKEEN流だ。

一人一人の行動から世の中を良くしていきたい

今後も同社の中で社会貢献が大きな意味を持つことは変わらないが、その根底にあるのは「地球規模で課題を解決していきたい」という思い。同じ時代を生きる人が、少しでもその方向に意識を変えていく助けになれば、と竹田氏。

とはいえ、まだ環境保護の活動を他人事のように感じている人も多い。このことについては、どのように考えているのだろうか。

僕は世界中をトラベルする生活を送っていますが、もう一年くらいペットボトルを買っていません。マイボトルを持てば、買う必要はない。こんな風に、ペットボトルを消費しない生活みたいに、自分ができることからやってみるのが大事なんじゃないか、と個人的には考えています。
BLOGOS編集部

一人一人が日常から気をつけていたら相当量のゴミを減らせますよ。まずは当たり前だと思っていることに違和感を持つところから始めると良いのでは。僕はこんなことばかり言っているから、久しぶりに会った友だちからは多少変なヤツと思われていると思いますよ。でも、嫌なヤツだと思われてもちゃんと言っていかないと。

 

都会でもアウトドア 東京は自然に溢れている

最後に、東京のような大都会でアウトドアに触れるためには、どんな選択肢があるかを質問すると、竹田氏は「家と会社を往復する間だってアウトドアだし、少し寄り道して自然のある場所を歩くだけでも立派なアウトドア活動ですよ」と応える。

東京は意外に公園が多くて、たくさんの緑があって鳥・虫といった生き物もいる。一方で、都心部から1時間くらいトラベルすると、ものすごい自然がたくさんあります。箱根に行けば山がすごいし、千葉に行けばワールドクラスのサーフィン会場になるような海がある。世界を見ても約2000万人が住むメトロエリアで、これだけの自然に恵まれているっていうのはすごい環境です。
写真AC

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