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ロスジェネについて語るときに、僕の語ること

週刊東洋経済 2020年1/25号 [雑誌](どこまで進む?就労支援 「氷河期」を救え! ) [雑誌]
東洋経済新報社
2020-01-20

『週刊東洋経済』の最新号『どこまで進む?就労支援 「氷河期」を救え!』に登場。渾身の特集。社会を動かすと思う。



インタビューが掲載されている。ぜひ、読んで頂きたい。この分野を研究する者として、ロスジェネ世代としてコメントしている。調査報道部長、風間直樹さんによる入魂の「志事」だ。


Twitterで「常見陽平、しばらく見ないうちに老けたな」という書き込みを見かけたが、そう「あいつは顔だけ」と批判され続けてきた私も中年。つまり、ロスジェネが中年化しているということ。以前はV系のボーカルをしていて、お耽美、美形路線だったのだけどな。

「氷河期世代」「ロスジェネ」と言っても、最終学歴(有名大学かそうじゃないかという話ではなく、高卒か大卒かなど タテの学歴)、大卒の場合浪人しているか否かなどの問題もあり、実は年齢層が幅広い。

「就職氷河期」が流行語化した時期と、事態がより深刻化したころはズレがある。2000年代前半の学校基本調査や、リクルートワークス研究所の大卒求人倍率をみると絶句する。ロスジェネ中期~後期は、就活がネット化したこと、就職協定が廃止になったことなどの変化もある。

もっとも、「就職氷河期世代」「ロスジェネ」は「誰もが」就職に困り、非正規雇用など不安定な仕事で働いているわけではない。「就職氷河期世代支援」は、対象者が何人くらいいて、それはどこにいるのか。このきめ細かい把握が必要である。

現状仕事に就いていない人、雇用や生活が不安定な状態にある人がいるのも現実だが、彼ら彼女たちの「尊厳」というものは意識しなくてはならない。「氷河期世代支援」のための採用活動がオリエンタルランド以上の凄まじい倍率で。むしろ、氷河期の再現じゃないかと。不安定なのだから、働け、仕事ならあるぞというのも違うかと。

この手の話をした際のよくある反論は
1.社会が混乱したことにより、例えばホリエモンや藤田晋のような新しいスターが生まれたのではないか?
2.自己責任だ。社会を変えよう、自分でなんとかしようという気はないのか?
3.「いや、君や仲間たちは就職してそれなりに成功したでしょ?」というツッコミ
などがある

1さらには2などのように、一部の特殊な例、自分の物語を一般化して語るのはわかりやすい誤解であり、一般化論法である。構造やシステムの変化、実際に起こってしまったことをデータで捉えた上で論じたい。

たしかに、求人が厳しくなると、広義の雇用の流動化が起こり、これまでよりも幅広い業界に人が動いたり(動こうとしたり)、新たな働き方にシフトしたりはする。なお、90年代なかばには「新大陸を探せ コロンブス就職だ」という特集が『就職ジャーナル』で組まれたりもした。ただ、それは必ずしも安全ではない。

2の自己責任論は、矛盾していて。社会の変化には必ずしも抗えないし、社会はすぐには変えられない。構造的に起きてしまった問題ということを意識するべきだ。

3は最もしょうもないツッコミのようで、実は最も論じたいことで。自己認識と他人の評価にはズレがある。ただ、外からみて、客観的に成功してそうでも、相対的に経済的に豊かだったとしても心の中にある喪失感、負け犬感というものがあり。これこそが、ずっと満たされない感情であり。第二次ベビーブーマー世代がずっと抱いているモヤモヤ感ではないか、と。ここは私も主観が入ってしまうが。

昨年、卒業した教え子から「東洋経済を買ったら先生が出ていて嬉しかったです」というメッセージが。いや、東洋経済を買って読んでくれて、私が嬉しい。

というわけで、ナイスな問題提起に満ちた特集なので、読んで頂きたい。こういうとき、紙媒体の底力を感じるな。

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