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守れ。葛西臨海水族園【第8章】小池知事へ建築学会から届いた二通目の手紙

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前回のブログも想定外の反響を呼びました。
「世界も気づいたんですね?!」
「とても有名な世界的建築家が、声をあげて他国の首都の知事に明確に反対の意見をもって要望書を出すなど本当に異例だ」
などなど、業界で活躍の方々からお声がけやメッセージを頂戴しております。

政治バカ一代のお姐では、ハーバード大、イエール大教授陣からの声を、その本当の意味を理解せずにブログ公表したのですが、正直、世界の反応の本気度に逆に驚いております。

これは、今だ東京都建設局公園緑地部は「老朽化」の正当性を示しつづけ、「建築家が、親分である谷口良生作品を残したいだけ」的なムードを作ろうとしている中で、ともすると、まるめ込まれてしまいがちな気運が悪い意味で醸成されようとする中、庶民感情も、日本と世界の高貴なる人達の反応は極めて冷静で、改めてこのアクションの間違いのなさを痛感し、お姐は最後まで守り、最後まで闘わなくてはと自信にも自負にも使命感にもつながった次第です。

【小池知事に届いた四通目の手紙は】
さて、昨年2月にすでに葛西臨海水族園取り壊しの危機を察知した日本建築学会から小池百合子知事に世要望書が届いていたにも関わらず9か月も無視をしていたことに関し、お姐blog「守れ、葛西臨海水族園。【第3章】小池知事が無視し続けた建築学会要望書」既報の通りです。

葛西臨海水族園の設計者であり、世界的建築家である谷口吉生氏も飛び入り参加し、槇文彦氏はじめ名だたる建築家や設計施工、メンテに携わった関係者、葛西臨海水族園元園長が集い声をあげた「葛西臨海水族園の長寿命化を考える」シンポジウム



が昨年12月19日に開催されたことからも、その数日後の12月23日に開かれた第4回葛西臨海水族園事業計画検討会は大紛糾
しかしあっという間に解体ありきの報告書案が作られ知事の「結婚式場に」発言が物議をかもし、さらに業を煮やされたか、権威ある日本建築学会から小池知事へ二通目、そして、ハーバード、イエール大教授らからのを含めれば4通目のこれまた異例な、批判精神に富んだ要望書が今年に入って届いたのであります。

【日本建築学会からの要望書全文】

[画像をブログで見る]

建学発2020−第0002号
2020年1月9日

東京都知事  小 池 百 合 子 様
東京都建設局長  三 浦   隆 様

一般社団法人 日本建築学会
会 長  竹 脇  出

葛西臨海水族園の保存活用に関する再度の要望

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より、本会の活動につきましてご理解とご尽力を賜り、篤く御礼を申し上げます。

さて、2019年12月19日に本会主催の緊急シンポジウム「葛西臨海水族園の長寿命化を考える」にご参加下さいますよう貴下にお願い申し上げたところ、残念ながらご参加頂けませんでしたが、シンポジウム当日には、総勢240人余りの建築関係者、一般市民の方々や報道関係者にお集まりいただき、葛西臨海水族園の今後のあり方についての活発な意見交換がなされました。
 ここにそのご報告かたがた、以下、お願い申し上げる次第でございます。

はじめに基調講演者である芸術院会員の建築家 槇文彦氏をはじめ、仙田満東京工業大学名誉教授(元日本建築学会長)、古谷誠章早稲田大学教授(前日本建築学会長)、松隈洋京都工業繊維大学教授ら建築界の各登壇者から、既存施設の文化的価値と既存施設を永続的に活用されることの多方面からの意義が語られました。特に、葛西臨海水族園の設立に関わり、初代水族園長であります安部義孝ふくしま海洋科学館長からは、既存施設に対し、建築のみならず生物展示テーマにつきましても強い保存要望が示されました。

 続いて、現在貴下で進められている2019年度「葛西臨海水族園事業計画検討会」が前提としています既存施設の老朽化という以下の2点について

1. 既存施設は設備改修不可能である点
2. 既存施設のバリアフリー化改修が困難である点

の重要な問題につき、当検討会委員であります柳澤要千葉大学教授から、

「バリアフリー対策の改修については東京都が既存施設設計者に委託し、基本設計が完了し、一部を残し実施設計まで完了している。しかしながら工事はその一部しか発注されていない」事実が情報公開請求によって明らかになったことが報告されました。

そして、設備改修については、貴下は改修不可能であるため既存本館から水族園機能移設か建物解体する必要がある旨判断しておられましたが、原設計者である村田博道森村設計副社長より、濾過器の搬出入ルートは設計当時から考慮され、外壁も取り外し可能で濾過器は搬出入可能であり、老朽化に伴い水族館機能が維持できないとする貴下の2018年度「葛西臨海水族園のあり方検討会」報告書の内容に対し強い異論が唱えられました。

 これらの証言は、バリアフリー化の不足や老朽化により水族館機能が維持できないとした2018年度「葛西臨海水族園のあり方検討会」報告書の前提を根底から覆すものであり、当時検討会委員であった池邉このみ千葉大学教授も、先のシンポジウムにおいて「これらの事実は、委員へ全く知らされていなかった」という旨の驚きと共に言及されておりました。

 続く2019年度「葛西臨海水族園事業計画検討会」においても、安田幸一委員、東京都建設局公園計画担当部長細川卓巳委員を含む一部委員からの既存施設の活用を並行して考えるべきという再三の要望が出ていたにもかかわらず、「既存施設については、水族園機能を新施設へ移設後、既存施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討する」ことを絶対条件として検討会が進められました。

その結果、既存施設の存続可能性は全く議論されることはなく、新施設の議論のみが進められる事態が12月23日の検討会まで続き、一部委員の意見が全く反映されないままに直後の12月26日に「葛西臨海水族園の更新に向けた事業計画(素案)」が公表され、パブリックコメント募集が行われるに至っています。

 上述のように2018年度の「葛西臨海水族園のあり方検討会」の前提が崩れたことに伴い、既存施設の検討を行わずに新施設の内容のみを議論した2019年度「葛西臨海水族園事業計画検討会」もその意味を失ったと言わざるを得ない状況でございます。
 シンポジウムでは、既存施設の保存手法のみならず、当施設における水族館業務に関する調査研究活動の一層の促進を目指して、中間案として一部新規水槽を付加するアネックス案も提示されました。
 また、米国ハーバード大学やエール大学の建築関係の先生方からの力強いご支援のお手紙も届いております。

 貴下におかれましては、この建物の有する文化的価値とシンポジウムで既存施設の維持存続が十分可能であることが明らかとなった事実を深くご理解いただき、既存施設の水族館機能を保持した上で、保存・活用を考慮した適切な葛西臨海水族園の長寿命化計画の立案と改修計画の策定を再度ご検討下さいますよう、ここに強くお願い申し上げる次第です。
敬具

上記日本国憲法第16条に基づき、本要望書を提出いたします。誠実なご処理ご検討の上、各質問項目につき、1か月以内にご回答を頂きますよう、請願いたします。
*****

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