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【vol.3】‟別の世界”に気づき、変われた兼近さんとそんな‟今”を認めたりんたろー。さんの軌跡

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チャラ男たちが織り成す軽快な漫才で、若い世代を中心に人気を集めているお笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さんとりんたろー。さん。
vol.1では兼近さんから育児、vol.2ではりんたろー。さんから介護について、それぞれ考えをお聞きしました。

【vol.1】子どもが生まれると同時に、親も生まれる 元ベビーシッターの兼近さんが考える‟頼ってもいい”優しい子育て

https://note.com/takamatsunana/n/n81b67bf480a4?magazine_key=m58d4d600e4c2


【vol.2】やりがいと厳しさ、親を施設に預けること… りんたろー。さんが8年間の現場経験から語る‟介護のリアル”

https://note.com/takamatsunana/n/n8c839a8ed32e?magazine_key=m58d4d600e4c2



文春報道で話題となった、兼近さんのあの話。過去に売春防止法違反の疑いで逮捕されていたことが今年9月、週刊文春で報じられた。 

過去に起こしたことは、決して肯定されるものではありません。
しかし、なぜ過ちを犯すことになったのか。 兼近さんはどのような環境で育ったのか、なぜそこから抜け出せたのか? りんたろー。さんが全てを知った上で兼近さんを受け入れた理由は――。兼近さんが犯した過ちをまた別の人が起こさないために、そして兼近さんの生きてきた世界を知らない人に少しでも理解してもらうためにも、お話していただきました。


https://www.youtube.com/watch?v=O2yqO-niJMA&list=PLGIs2lskpIl3ZOFY_VFPcXsAv7qjqOUKb&index=3

プロフィール
EXIT(いぐじぃっと) りんたろー。さんと兼近大樹さんのお笑いコンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。「ネオ渋谷系漫才」と言われるスタイルで、結成して間もなく頭角を現し、若者を中心に人気が爆発。今年9月、週刊誌によって兼近さんの過去の犯罪歴がスクープされ世間をにぎわせた。その時の2人の対応についても話題に。

たかまつなな お笑いジャーナリストとして、お笑いを通して社会問題を発信している。現場取材をし、その内容を寄席で社会風刺ネタと して届ける 。18歳選権導入を機に、株式会社 笑下村塾を設立し、全国の学校で出張授業「笑える!政治教育ショー」を実施。

目次

  1. ■「別の世界がある」なんて知らなかった
  2. ■“ない”ものではなく“ある”ものを数えたら世界が変わり始めた
  3. ■相方の“今”を信じて決めたコンビ結成
  4. ■みんながやってほしいところに進んでいく
  5. ■あの騒動の時に行動を起こした理由
  6. ■EXITは社会問題に向いてる!

■「別の世界がある」なんて知らなかった


―最後にお笑い芸人さんとして色々お伺いしたいと思います。文春で記事になってらっしゃってびっくりしました。売春の斡旋をされていたという、なかなか衝撃的な内容でしたが、もっと驚いたのがその後のお2人の対応。それに感銘を受けたんですよね。


例えば、大ヒットした映画「万引き家族」を見た人は「いい映画だった」と言いますが、リアルでああいうことが起きると、やった人をすごく叩くんですね。語弊があるかもしれませんが、兼近さんはリアル「万引き家族」家庭だったわけですよね。

兼近さん(以下、兼):俺にしたら「万引き家族」は“あるある”だらけでした。

―私は生まれた時からお金に困ったことがないし、勉強もさせてもらえました。私と同じような立場の人が、環境に恵まれず過去に悪いことをした人のことを叩くのは、すごく卑怯だと思います。兼近さんと同じ環境で苦しんでいる人が兼近さんの行動を見て、もちろんいけないことですが、勇気づけられているという人もいると思います。そういう環境から脱することというのは大変なんですか?

兼:「自分のいる場所以外に別の世界がある」と思えること自体が奇跡なんです。自分たちの生きている世界が普通で、違う世界にいる人たちのことを「おかしい」って思い込んでいる。その中で、僕とたかまつさんのような人が出会うことは100パーセントない。たかまつさん側の人がこっちに来ることも、僕がそっち側に行くこともない。だから、違う世界の人が混ざり合わないのが現状です。

―そういったことを、代表して言ったのがすごいと思いました。いくら私が「これから格差社会が進行していくから、教育が大事なんだ」と言っても届かないんですよね。

兼:教育はマジで大事です。俺は学ばせてもらえない環境にいましたから。周りも全員が勉強していないから「勉強しなさい」って言われても「なんで?」って拒絶するんです。なぜ教育をしなければいけないのか、受けなければいけないのか、というところからのスタートなんです。

―例えば、貧しい家庭で生まれた時に、リセットできる手段の一つが教育ですよね。頑張って勉強して、いい職業かは別としてお医者さんとか弁護士になったりしてリセットできるはず。でも今の形だと、東大や慶応に行った子はみんな小さい頃から勉強していたりするので、リセットするのがなかなか難しいですよね。

りんたろー。さん(以下、り):聞いてびっくりしたのは、こないだ兼近が言っていた薬物の話。僕らは学校で薬物のセミナーを受けたときに「こういう薬物があるのか。怖い存在だから、やっちゃダメだな」と思って自分で拒否しますよね。でも兼近の周りにはすでに薬物が蔓延していて、みんなが普通にやってる。その中でセミナーを受けて初めて「ダメなことだったんだ」って気づけたんだよね?

兼:知る過程が普通とは逆だったんです。中学生くらいの時に聞いて「薬物って、あれのことじゃん。ダメだったの?」って知った。俺はやっていなかったけど、やっている人は薬物から抜けようとも思っていない。悪いことだと理解した上で「だから何なんだ」「それを止めたところで、別の世界で受け入れてくれるのか?」という話だから。

俺は周りの方に助けられて今の状況がありますけど、もし「過去にそういう世界にいました」「周りはそういう人たちでした」って言ったら「その世界に戻れ」「お前に俺らと絡む資格なんてないよ」っていう態度になるのが、今の日本だと思います。“その世界”にいる人たちは、それを理解している。

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