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液晶テレビは逃げ足の速さが勝負になってきた

パナソニックが、尼崎第3工場の生産を止め、液晶テレビ用パネルの茂原工場は売却、1000人規模の従業員を削減する方針を発表し、それが市場の好感を得て、株価が上昇しました。

火事場からは逃げるが勝ちです。

パナソニックの創業者松下幸之助は、どんどん安く、便利になる家電を提供して、水道のように、蛇口をひねれば誰もが利用できるようにすることがメーカーの使命だという「水道哲学」を残したことで有名ですが、もし、松下幸之助が存命で、PCや液晶テレビの市場を今日の状況を眺めれば、さぞかし感銘深いものがあると思います。品質が上がってきても、液晶パネル生産は韓国だけでなく中国も加わり、過剰生産に拍車がかかり、値崩れの速度が中途半端ではありません。

ちなみに、32型の液晶テレビは日本ではブランド品ならまだ3万円台ですが、アメリカでは、この年末商戦では2万円以下、いや1万円台半ばになるとも予想されているようです。55インチのLEDでも、8万円を切るとはすさまじい世界です。
【テレビ】、55インチLEDが999ドル?家電芸人もプレゼンできないほど価格下落が進む!:激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ:

ちなみに、日本はデフレといいつつもそれはトレンドであって、実態はまだまだ内外価格差があることは記憶に留めておいてください。こうなってくると、液晶テレビ市場という火事場からの逃げ足の速さが企業評価につながってきます。きっと最悪はサムスンのような気がします。下手にトップシェアを握ってしまったので逃げるに逃げられません。

いかにアップルの利益率から見ればずいぶん見劣りがするとはいえ、スマートフォンが好調で、全体としては追い詰められた状況ではないので、いかに赤字への道が目の前に現れても、事業から手を引く判断はなかなかできるものではありません。これまで競い合っていたプレイヤーが一抜け、二抜けと逃げ出し、ひとり勝ち残り、残存者利益を得ようにも、後ろから中国が追いかけてきて、どんどん価格を下げてきます。中国の企業にブランド力がなくとも、マーケティングに長けた企業と手を組んでどんどん価格攻勢をかけてくるでしょう。

海外にくらべれば高価格がまかり通る日本市場でも、どんどん制作費を削り、もはやどのチャンネルを見ても、同じようなお笑い芸人がでてくる番組を見る板でしかなくなったものが、いくら高画質だと言っても、それに価値を感じ、プレミアムな価格を支払う人は減ってきます。

しかし、ものは考えようで、液晶テレビという板はモノの割に価格が安い部品のひとつにすぎないとすれば、誰でもが液晶テレビというパーツをつかって、なにか新しい価値を提供できる時代になってきたということです。たとえばTSUTAYAとか楽天が、なにかのサービスをつけて売っても、最初は唐突だとしてもありえる話になってきます。インターネットとつながるといっても、ただそれだけではPCでもできることで、テレビでしかできない、あるいはテレビで利用したいサービスに焦点はあたってきます。

民放が手を組めば、クラウドを利用して、このテレビなら、録画機なしでも録画できますとすれば、録画再生機の必要性はなくなるので、少しはプレミアム価格もついてくるでしょう。ハードの価格の低下は、いささかも嘆くことはなく、逆にビジネスチャンスをも産み出してきます。

あとは、そのビジネスチャンスにチャレンジしようとする元気がある企業が登場してくるかどうかでしょうね。

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