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米中、「第2段階」通商合意の可能性低い=S&P貿易アナリスト


[17日 ロイター] - S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのサプライチェーン分析グループ、パンジバのリサーチアナリスト、クリス・ロジャーズ氏は、ロイターとのインタビューで、米中がより包括的な通商合意に達する可能性は低いと述べた。

また米中が署名した「第1段階」通商合意について、産業補助金など大きな懸案事項は解決されていないと指摘。中国による米製品の購入増は大胆過ぎる内容との見方を示した。

同氏は、米中が今後の交渉で、中国政府による企業支援という、貿易戦争の原因となった中核的な問題を解決するのは困難だと述べた。

大統領選が近づく中、米国は他のアジア諸国との通商関係を見直す可能性があるとも指摘した。

以下はインタビューの抜粋。

Q:中国はなぜ、合意に署名したのか?

A:簡単に言えば、貿易戦争のエスカレートを阻止する必要があったからだ。中国は景気減速に直面しており、これ(貿易戦争)は輸出の足かせになっていた。

中国は、知的財産や技術移転、金融サービスへのアクセスでは政策の是正を約束したが、産業補助金などより大きな問題については、何も変えていない。

米国からの輸入増に関する中国のコミットメントは非常に大胆なものだ。2020/21年に2000億ドル近い購入拡大を約束した。大豆や液化天然ガス(LNG)だけでなく、製品やサービスでも輸入を大幅に増やす内容だ。

一方、大半の関税は今後も残る(引き下げられたのはドルベースで10%程度の関税だけだ)。米経済は輸出に関して、中国の好意により依存することになる。

知的財産権や金融サービスに関連する企業にとって良いニュースは、中国市場が以前よりもやや開放されたという点だ。

Q:米中貿易戦争の影響を巡って、ベトナムへの投資増が話題になった。「第1段階」合意が署名された今、このトレンドは後退するのか?

A:電話会議で貿易戦争に触れた企業の大半は、全く新たな計画を実行するのではなく、既存の計画を加速する方針を示していた。

企業がベトナム(もしくはその他の東南アジア諸国)への投資に慎重になっている理由の1つは、新たな貿易戦争のリスクだ。トランプ米大統領は選挙を控え、新たな「便利な」敵を探しているかもしれない。

つまり米通商法301条に基づく関税のリスクがあるということだ。ベトナムとマレーシアの政府はこの点について懸念を示している。

Q:「第2段階」がまとまるとすれば、何か具体的な合意があると思うか?

A:私は「第2段階」については非常に懐疑的だ。少なくとも年内には難しいのではないか。「第1段階」で合意できなかった問題は、「中国の特徴を備えた資本主義」の根幹に関わるもの、つまり国有企業支援や、国が企業を指導するというシステムだ。

貿易戦争はそもそも、貿易に関することだけではなく、ハイテク分野での覇権争いだ。この点で、米国は一段と敵対色を強めている。

「第2段階」ではせいぜい、中国の劉鶴副首相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表による半年ごとの会合で合意する程度ではないか。

トランプ大統領が中国を訪問するというのであれば、何かが決まらなければならないだろうが、抜本的な政策変更というよりも、長期的な商取引の署名にとどまるだろう。

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