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「弁護士の取り調べ立ち会いと、捜査手法の拡充をセットで進めるべきだ」ゴーン被告による日本の刑事司法制度批判を受け橋下氏



 昨年末、仮保釈中にレバノンへの国際逃亡を謀った元日産会長のカルロス・ゴーン被告。 今月8日にはレバノンで記者会見を開き「私は最も基本的な人道の原則に反する司法制度を暴くためにここにいる」と発言している。

 16日のAbemaTV『NewsBAR橋下』に生出演した橋下徹氏は、「今回の問題は大きく2つに分けて考えないといけない。まず、ゴーンさんが日本を出ていったことについては、僕は許せない。日本の主権に服するという前提があるからこそ、みんなが安心して暮らせる。このことは日本人としては言っていかないといけない。それとは別に、日本の刑事司法制度についてはちゃんと見ていかないといかない」と、弁護士として日本の刑事司法制度の問題点を指摘した。

 「記者会見でゴーンさんが日本の刑事司法制度を色々と批判していたけども、そのほとんどが間違いや誤解だと感じた。ただ一点だけ、取り調べに弁護人が立ち会えないというのは弱点だ。原則として弁護士が立ち会えて、口も出せるというのが先進国のスタンダード。このことは弁護士会が何十年も前から主張しているが、捜査機関としては取り調べが面倒になるし、自白が取れなくなるから導入に否定的だ。

もし僕が入ったら、警察官より喋っちゃうからね(笑)。日本人はそのことを知らないから警察に捕まったら密室の中、一人で取り調べを受けるのが当たり前だと思っているし、声を挙げないから政治も無視してきた。法務大臣も“日本の刑事司法制度に問題はない”と言うから、立派なんだと思い込んでしまっている。

 もちろん今は“取り調べの可視化”によって録音・録画がされるし、暴力はほとんどないと思っている。それでも裁判で被告が“暴力的な取り調べがあった”と主張するケースはいまもある。ただ、弁護士会の言い方にも問題があると思っている。つまり、弁護士会は立会権、容疑者・加害者側の権利ばかりを言うんだけれど、世界標準を目指しましょうというのであれば、捜査手法を世界標準にすることもセットで進めて行くべきだと思っている。

これからの社会はテロ対策が必要だし、複雑・高度化した知能犯の対策も必要だ。それに対し、日本の捜査機関には武器が少ない。僕は先進国並みに囮捜査や盗聴もやっていかないといけないと思っている。ただ、怖い、人権侵害だ、という反対の声が根強いから難しい。

 加えて、ゴーンさんが訴えていた“有罪率99%”という点についても、考え方がいろいろある。実は日本の検察が起訴しているのは、全ての犯罪の50%。検察官が本当に有罪になるかどうかを吟味して起訴しているからこそ、無罪になることがあまりないということだ。逆に言えば“立証できないから”と起訴しない問題が出てくるのもそのせいだ。他方、これがアメリカの場合、けっこういい加減に起訴していく。今の日本社会は逮捕されたり裁判になったりした時点で犯罪者扱いし、メディアも含めて袋叩きにしてしまう。どっちが良いか、という問題だ」。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)

▶映像:橋下氏による時事解説

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