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地震予測第一人者が警告「3.11から9年の20年は大地震に注意」

大阪府北部地震の前日、2018年6月17日の地下天気図(メルマガ『DuMAの「地下天気図」』より)

昨年12月3日から4日かけて、茨城県南部・北部、栃木県北部など北関東で頻発した地震。もしかしたら、大地震の前触れなのかも……。地震予測研究の第一人者が解説。“地下天気図”が警告する2020年の最新“地震予測”ーー。

「“地下天気図”を見るかぎり、関東地方の地震活動は、まだ通常の状態に戻っていません。東日本大震災規模の揺れが起こる可能性は低いですが、しばらくの間は、マグニチュード6程度の地震が起きる可能性があります。ほかにも、大阪や紀伊半島周辺を含む近畿地方など、地下天気図で気になる場所があります」

そう警鐘を鳴らすのは、東海大学海洋研究所所長で、地震予知・火山津波研究部門長の長尾年恭教授。長尾教授は、阪神・淡路大震災以降、地震予測の研究を重ねてきたエキスパートのひとりだ。

複雑なメカニズムで起こる地震。いつ、どの程度の規模で起きるのかを正確に予知する方法は現状では確立されていない。そんななか、高い制度の“地震予測”が可能になる未来を開くのではないか、と注目を集めているのが、長尾教授が研究する“地下天気図”なのだ。

「地下天気図とは、地震の発生状況を、天気予報の気圧図になぞらえて可視化したものです。私たちが気付かないような小さなものも含めて、地震活動が通常より少ない状態を“低気圧”。通常より多い状態を“高気圧”と呼んでいます。昔から言われていることですが、大地震が起きる前には、地震活動が通常よりも減る傾向にある。つまり、嵐の前の静けさです。地下天気図でいう低気圧の状態が続いたあとに大きな地震が起きることが多いのです。地下天気図で、低気圧の状態が長期間続けば続くほど、そのあとに起きる地震は大きくなる傾向にあります。低気圧が続いている最中に地震が起きることもありますし、低気圧が解消して、地震活動が活発化し始めたあとに大きい地震がくることも多い」

図を見てほしい。’18年6月18日の大阪府北部地震(マグニチュード6.1)の前日である17日の地下天気図だ。図の青色の部分が低気圧で、濃いほど強いということになる。半年ほど前から、滋賀、京都、大阪を中心に低気圧が居座り、異常の最中に地震が起きた。

長尾教授らは、’11年にDuMAという会社を立ち上げ、こうした「地下天気図」の異常を有料メールマガジン(月220円・税込み)で配信。収益は地震予測の研究に役立てられている。

「ただし、低気圧が近づいても100%雨が降るわけではないのは地下天気図も同じ。あくまでも、地震予測をするために、地下で起きていることを知る第一歩だと思ってください」

そう話す長尾教授が、最近の地下天気図から「首都直下型地震より先に起きるかもしれない」と危惧するのが、北海道南東部から北方領土にそって続く千島海溝の地震だ。

「これについては、政府の地震調査委員会が’17年に警鐘を鳴らしており、今後30年以内にマグニチュード8.8クラスの巨大地震が発生する確率が7〜40%あるとの試算も出ています」

もし、千島海溝で地震が起これば、北海道はもちろんのこと、東北地方一帯から関東地方にまで、東日本大震災級の津波が襲う可能性があるという。

「千島海溝で地震が起きたら、揺れがたいしたことないからといっても油断せず、すぐに高台に避難してください」

さらに長尾教授は、“2020年の危機”を強調している。

「これは、東日本大震災の前から地震の国際学会などで言われていたことですが、日本で大きな地震が起きるのは、9〜10年おきなんです。9世紀には、“前回の東日本大震災”ととも位置づけられる貞観地震が869年に起きて、その9年後の878年に関東直下型地震にあたる元慶地震が。さらに9年後の887年には、南海トラフ巨大地震が起きている。今年は東日本大震災から9年目にあたります」

現在のような精密な地震の観測データを得られるようになったのはここ25年ほどのことだという。

「長年のデータの集積によって正確な天気予報が可能になったように、地震のデータの蓄積によっていずれ正確な地震予測ができるようになるかもしれません」

長尾教授と地下天気図の挑戦はまだまだ続く。

「女性自身」2020年1月28日号 掲載

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